第62話 会科高校サッカー部の現状

「よし!!今日の練習はここまで!!」


会科高校サッカー部の顧問、毛呂山がパンっと手を叩き、大声で言った。グラウンドで練習していた部員は練習を止めた。


「ふー。疲れたぁー、、、さすがにキツイなー」


汗を拭いながら、大きく息を吸っているこの部員はは横瀬文隆だ。そして、グラウンドに転がったボールたちを眺めながらこう続けた。


「一人で十一人分の練習をするのは」


そのあと、ボールを拾っていると毛呂山が近寄ってきて、


「なんで、わざわざ十一人分の練習なんかしてるんだ?」


言われた。少し考えた後、少し照れ臭そうにしながら、


「いやー、みんな練習には来ないけど、試合には来てくれるので、、、、。もちろん練習をしてないみんなはできないわけですし、俺がみんなのぶんまで練習しなくてはなーって思いましてね」


「だが、そんな奴らのために練習するなんて馬鹿らしいと思わないのか?」


「いや、俺サッカー好きなんで」


と、言うと文隆はボール拾いを再開した。







そんな様子を遠くから見つめる姿があった。

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