第55話 帰り道

「ねーねー。三月ちゃーん」


久しぶりに登場した祐子。始業式が終わり、親友の深谷三月と一緒に帰っていた。


「ん?」


本を読みながら、乾いた返事をする三月。


「今日さ、鈴谷たち遅刻してこっぴどく怒られてたよねー」


笑いながらトムたちを少しバカにする祐子。自分も人のこと言えないのに。


「まぁ、鈴谷はいつものことだけど、そのほかは意外だったね。何かあったのかね」


再び返事はしたが、本から目を離すことはない。


「確かに、特に川口とかは意外だね」


「え?」


「え?」


長い沈黙が数十分間続いた。

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