第56話 社会人になると、、、

「うーん、、、、」


事務所内でパソコンの画面を頭を抱えている大宮唯。


「どーしたんですか?大宮さん」


コーヒーを淹れてきた赤毛の同僚が唯に渡した。そのコーヒーはブラックだったので、唯は口に運ばない。


「それがですね。最近、陸斗さんを見ないんですよねー」


顔だけ同僚の方に向け、残念そうな顔で見上げる。


「え?その、陸斗って人の住所わかったんですか?」


「いや、学校で張り込んでたんです。ここ一ヶ月ほど」


それを聞いた赤毛は唖然とする。まさか、まだ25歳の人がそんなことを忘れてしまっているなんて。赤毛は大きな深呼吸をした後、ここ言い放った。


「、、、夏休みだからですよ」

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