第37話 地名しりとり2

次回の続きから


「う、、ウルグアイ!!」


はっと思いついた地名を言うトム。本当にたまたま思いついただけである。本当に、、、。


「イスラ-デ-ココ」


トムの言ったあとすぐに言った大和。言う前にトムの言おうとした国を予測していたのだろうか。間がゼロというほどなかった。しかし、この地名は、


「え?なにその国?」


トムも祐子もそんな場所知らないようだ。しかし、


「私、知ってるよ。ココ島の地名でしょ」


三月は知っていたようだ。当然のように言う。


「そう!よく知ってるねー」


そんな地名を言ってくるとは、以前にめっちゃ覚えたのだろう。


「まじか、、、そんな地名が存在するとは、、、」


唖然とするトムと祐子。本当に知らなかったのだろう。


「じゃあ私の番だよね。コスタリカ」


やはり、メジャーではない国。三月はどんだけ国も地名も知っているのだろう。


「え、えーっとカタール」


なぜか意外と知る人ぞ知るような国を言う祐子。実はそれも掲示されている習字の紙に書いてあった。


「え!?また、る!!るなんてもうないでしょー」


手を顔に当て必死に考えるトム。確かに、ルから始まる地名なんてなかなかない。しかも、さっきルーマニアは大和に言われてしまっている。


「しょーがないなー。じゃあ、ヒントあげるよ。ル・**」


*の部分はハミングする大和。この音だけで判断するのは至難の技だ。


「そんなんじゃわかんないよ。もっとわかりやすいヒント頂戴!!」


そう言うとトムは顔の前で手を合わす。考えもせずに人に聞くとは、、。もちろん、批判が出てくる。


「鈴谷、ずるい!!私だってそんなに知らないのにまだ聞いてないよー」


座っていた椅子をガタッと鳴らして立ち上がり、指を指す祐子。


「まぁいいじゃんいいじゃん」


ニヤケ顔で手を合わしたまま言うトム。


「まぁ。いいんじゃないかな。祐子ちゃんも聞きたきゃ後で聞けばいいんだし」


三月が意外にもトムのフォローをした。そして、びっくりして祐子は固まる。祐子のイメージではルールには厳しいと思っていたのだろう。


「じゃあお言葉に甘えて。大和、教えて」


照れ顔で舌を出し、片手で片合掌をし、もう片方の手で後頭部を撫でる。


「ああ。男を英語で?」


「マン!!」


「続けて!!」


「ル・マン!!」


「アウトー!!」


「!!?」


トムはビックリしているが、めっちゃアウトである。「ん」ついちゃっているからね。


「ハメたなー!!」


「別にルールには、そんなことしちゃダメなんてないからね」


確かにルール上にはセーフだが、人としてどうかと思う。


「深谷さんは気づいてたよね」


「もちろん。ルなんとかでわかるよ。そりゃあ」


ドヤ顔で言う三月。飛んだ化け物だと思う。


(いつの間にか組んでたのかよー!!)



初めて行われた地名しりとりはトムの一人負けで終わった、、、。

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