第36話 地名しりとり
放課後
「地名しりとりやろうぜ、トム」
大和が突然、地名しりとりを仕掛けてきた。地名しりとりとは、国名、都道府県、市町村などの地名、もしくは海の名前などでも、山脈の名前でもありであるとにかく地図帳に乗っている名前でしりとりをするゲームだ。
「いいよー。暇だし。せっかくなら陸斗と将悟も誘おう」
とトムは二人を誘おうとしたが、二人の姿はそこにはなかった。
「いないかー。でも、やるからには人数多い方がいいしね。おーい」
たまたま大和とトム以外に残っていた祐子と三月に声をかけた。そして、ルール説明とかをした。
「いいね。やろっ!!」
二人とも乗ってきてくれた。スタートはトムから大和、三月、祐子の順だ。そして、付け足しルールとして一人落ちたらもう終わりとした。
「んじゃ俺からだよね。フランス!」
フツーならここはしりとりの「り」から始めるものだろっとツッコムところだが、今はツッコム人がいなかったので、トムは少しスベった感じがした。
「スイス!!」
大和のうまい「ス」の連続技。自分で始めたこともあり、ガチで勝ちに行くつもりだろう。
「す、、、スリランカ」
三月は少し悩んだが、やっぱりそこまでメジャーな国は言わない。さすがは、クラスナンバー2の頭脳の持ち主。
「か、、だね。かー、、、カナダ!!」
祐子はそこまで勉強を総合的に得意では無いが、文系であるため、国語と社会が苦手では無いのだ。つまり、地理も苦手ではない。まぁ別に良いってわけでもないのだが。
「だ、、だ、、、だ、、、って無くね!!」
早速詰まってしまった。もちろん、トムだ。しかし、まだ2周目に入ったばかりなのにこのザマはやばい。ただでさえ点良くないのに、文系でもない。なぜ彼はこの地名しりとりに参加したのだろう。
「あるよ。意外と近くに」
確かにある。しかし、彼に思いつくとは到底思えない。だから、助言した大和もそこまで期待していないだろう。
「うー、、、、ん!!代官山か!!」
そっちじゃない!!しかし、地名ではあるから地名しりとりが終わったわけではない。
「マレーシア!!」
大和は「す」責めは諦めたようだ。まから始まりすで終わる地名なんてなかなかないものだ。
「アイルランド」
三月は安定にメジャーなのかメジャーではないのかわからない国名をいうのが好きなようだ。
「ど、、、ドイツ」
祐子は少し詰まってしまったが、メジャーな国を言った。三月に負けじとメジャーではない国を言おうとしたのだろうか。
「ツバル!!」
珍しくトムが早く答えた。正直、みんなまた詰まるだろうと思っていた。しかし、みんなの予想が外れた。トムの好きな国であったからだ。
「ルーマニア」
大和は「あ」責めを始めたようだ。しかし、「あ」から始まる国は意外と多くあるのだが。
「アルバニア」
三月も狙ってか、それともたまたまかわからないが、「あ」責めをしたように見受けられた。
「あ、、、、ね。あー、、、、あ!アラブ首長国連邦!!」
祐子はたまたま教室に貼ってあった習字の紙にアラブと書いてあったので思いついたのだろう。しかし、ズルではないのでしりとりは続いていく、、、。
次回に。
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