第26話 安易なルール

前回の続きから


トムからスタートだ。


「次は6か。バレーって6人でやるんだよね。」


バレーは6人でやる。確かに常識だが、さっきから会話になっていない。


「俺の今日のラッキーナンバー7だった」


占いでそうだったのかもしれないが、7自体がラッキーナンバーである気がする。


「8月って言ったら夏祭りだよね」


正直言ってしまえば、それは勝手な考えだ。七月に夏祭りのところもある。しかし、彼らの地元はそうなのだろう。


「さっきさ、バレーの人数は6人って言ってたけどさ、ママさんバレーは9人だよね」


「俺の誕生日は10月24日」


もうきつくなってきたのか、本当に話が噛み合っていない。別の話題であっても良いのだが、はたから見ると変な奴らである。


「サッカーの人数は11人」


トムは勝利を確信したのか、笑みを浮かべ、


「俺の勝ちだぜ」


「え!?なんで?」


「だって、連続で人使ってじゃん」


確かにそうだ。将悟は連続で人を使っている。先ほど、ママさんバレーの人数で人を使い、またサッカーの人数で人を使った。確実にトムの勝利だ。


「うわっ、確かに。くそ、いつもこういうゲームだけは強いんだよなートム。頭もそんな良くないのに」


「酷いなー」


「冗談だよ。でも、これで気分転換になったっしょ」


「まぁね。サンキューな将悟」


と言い、トイレに向かうのか、トムは教室を出ていった。


(、、、、わざと、負けたなんて言えねー)

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