第22話 スカウトへと向かう旅


「そろそろなんとかならないのかね。大宮くん。」


「はい。今月中には、必ずスカウトしてみせます。」


「我がクラブはかつてはリーグ最強とも唄われた。しかし、今となっては衰退していく一方なんだよ。」


「はい。」


「しかし、あの丸山陸斗という少年。彼はこのクラブを変えてくれる。そう、思ったのだよ。」


「はい。」


「だからこそ、彼にはこのクラブに入ってもらわねばならんのだ。」


「はい。」


「頼んだぞ、大宮くん。君にクラブの存亡がかかっているのだ。」


「はい。では、失礼します。」


「ああ。」





数分後


「代表、言うことが大げさすぎだよな。君にクラブの存亡がかかっているなんて。」


赤混じりの髪の毛の男性に、相談に乗ってあげるよと、勝手に大宮唯のそばにやってきていた。


「で、でも。このままじゃこのクラブは上に上がることができないのは確かです。」


「そうかな。確かにその丸山陸斗くん、、だっけ?その子が入れば、クラブは一気に強くなるのかもしれないけど。僕たちのチームは確実に強くなっている。」


「そう、、、ですかね?」


「そうだよ。クラブの運営側が選手を信じないと。それが絶対大切だよ。」


「そう、、、ですね。わかりました。でも、、。」


「でも?」


「陸斗さんのスカウトは絶対諦めません。」


「え!?今、もう諦める雰囲気じゃなかった?」


「じゃないです。もし、他のチームに陸斗さんが取られたらと思うと、いてもたってもいられなくなります。」


「えええ!!」


「と言うわけで、陸斗さんのスカウト行ってきます!!」


自身のカバンを持ち、綺麗な黒い髪を揺らすようにくるりと回り、ドアから出て行った。


「ええええええ!!!!」


今日も大宮唯はスカウトと言う旅に向かうのであった。

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