第18話 運任せで点が取れるんだったら、テストの意味がない


(やべぇ。昨日、せっかくみんなで集まったのに、全くテスト勉強してなかったー!!)


完全に焦るトム。


(このテスト、かんっぜんに暗記系だから、まったくわかんね。)


一度、目を離したテスト用紙をもう一度見る。


(幸いなのは、このテストオールセレクト問題であること。)


改めてシャーペンを持ち直し、


(、、、己の運を、、信じる!!)





テスト返却時


「テストどうかな!?」


正直、あまり頭が良くない将悟(トムほどではないが。)はやはり浮かない顔をしていた。


「んなー。まぁ、俺はまぁまぁかな。」


「そっか。あ、トム呼ばれたよ。」


「んじゃ。もらいに行ってくるわー。いい点でありますように。」


トムはそう言い、立ち上がると前の方に溜まっていた生徒たちの中を通り過ぎるために、手を前に出し、間を通る。


「鈴谷、おめでとう。」


と笑顔で渡す担任の大和田に、トムもいい点を確信し、そして笑顔で返す。


「先生、、、。」



しかし、現実はそう甘くはなかった。


「放課後、お前の大好きな補習な。」


大和田はテストを渡したテストの右上、点数が書かれている部分を見ると、0と言う赤文字が深く刻み込まれていた。

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