第17話 昨日の今日なのに

朝早くに1年B組の教室で集まるトムを抜いた3人。


「昨日、悪いことしちゃったかな。トムに。」


罪悪感に浸る将悟。それと裏腹に大和は


「いや、逃げ遅れたトムが悪い。どう考えても、あれは逃げるべきでしょ。」


「まぁ、確かにそうなんだけどさ。」


「俺らの分のお金だって置いていったわけだしさ。あと、トムだってケロッと許してくれるでしょ。」


「う〜ん。そうかなー?」


とずっと話していると、一人の女子が話に混ざってきた。


「もしかして、昨日のオダカフェでの話?私、昨日オダカフェにいたんだよねー。」


「鳩山さん、いたんだー。」


そう。昨日、オダカフェにいたもう一つのグループ。祐子と三月。


「それでさ、昨日ね。君たち3人が帰っちゃったあと、鈴谷も逃げてたよー。」


その言葉に大和が反応する。


「本当!?トムがあの場を逃れられるとは。」


「んじゃ。私が話しかけた本題に入るね。」


「本題?」


「戸田、隣のクラスの夜行ってやつが相談に乗って欲しいって言ってたよ。」


「将悟、相談乗り上手だからなー。」


そう。戸田将悟は相談乗りのスペシャリストなのである。これまで、解決した案件は数知れず。本人は本当に思ったことを伝えているだけというが、何か秘密があるのだろう。


「じゃ、行ってくるわ。」


席を立つと将悟はそう言った。


「ああ。またまた、解決してこいよ。」


大和の言葉を聞いたあと、将悟は教室を出て行ったと、同時にトムが鼻歌を歌いながら教室に入ってきた。


「ハロー!!みんな〜!!」


「お、おう。(あれ?なんかテンション高いぞ。)」


「酷いぞー!!大和たち勝手に帰っちゃって!!」


「あ、ごめんごめん。(一応、気にしてるんだ。)」


「まぁ、いいけどねー!!」


「なんかいいことあった?」


「あ、気付いちゃった?」


「うん。(そりゃ、気づくだろ。わかりやすすぎだしな。)なにがあったの?」


「知りたいの?」


「し、知りたい。(めんどくせー。)」


「知りたいのかー。それはそうだよねー。人がテンション高いの見ると、聴きたくなっちゃうよねー。」


「まぁね。(そろそろ、ムカついてきた。)」


「じゃあ言うよ。言うからね。3、2、1、、、やっぱ言わなーい。」


「えっ、教えろよー。(ウゼー!!いい加減言えよ。)」


「しょーがないなー。じゃあ、言うよ。なんと、今日、、、、五百円玉拾いましたー!!」


「、、、、(ふ、腑に落ちねー。)」

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