第9話

会科高校一年B組の教室内。その中に女子生徒が二人残っていた。


「ねーねー」


この娘は鳩山祐子。トレードマークは綺麗な茶色い髪とくせ毛で後ろ髪がピンっと外ハネしていること。本人は気づいていないようだが、学力はよろしくない。


「んー?」


この娘は深谷三月。烏のぬれ羽色のような黒髪でセミロングである。親は薬剤師のようで、本人もある程度の知識を持っている。あだ名はヤミツキらしいが、実際使われいることは少ない。


「よくさ、スポーツやっている人でさ、敬語使うとき、ですをはっきり発音しないで、なんとかっす。って言う人いるじゃん」


「んー。まぁいるね」


「あれ、ダサくね」


「んー。一理あるね」


「だからさ、私たちが代わりの言葉を考えてあげようよ」


「んー。例えば?」


「なんとかっん。とかは?」


「んー。なんかダサくね」

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