第5話

日曜日。

午前9時45分。

現在僕は待ち合わせの時計台の前に居る。彼女はまだ来ないようだ。約束は10時なのだから当たり前かと思いながら今日の予定を思い出す。


プランはこうだ。

まずパンケーキの店へ行く。

そしてショッピングをするらしい。

それから少し遅めのお昼ご飯。もちろん回らないお寿司を食べるんだと彼女は意気込んでいた。

そこからはノープラン。それがまたいいらしい。


僕は基本適当に行動をするので行く場所を決めて行動するのは少し新鮮だ。

彼女のお願いから決まったデートではあるが、実は僕も楽しみだったりする。


そんなことを思っていればもう約束の時間の5分前になっていた。すると、


「志貴!おはよう!」


いつもの挨拶が聞こえた。

つられて僕もおはようと返した。


「じゃあ、さっそくパンケーキ屋さんへ行きましょう!」


無邪気に笑いながら嬉しそうに彼女は歩き出した。そんな彼女を追いかけるようにして僕も歩き出す。


「急がなくても無くならないだろ?」

そう言った僕に、


「急がなきゃ混むのよ!あんまり並ぶの嫌じゃない?」

と今にも走り出しそうに彼女はできる限りの早足で歩く。


彼女の事だから走って行ってしまうのではないかと思っていたので少し不思議に思ったが、すぐに走らないのではなく走れないのだと気がついて口に出すのを辞め、大人しくついていくことにした。

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