第10話ボール

「マジで?そんなにカッコいいの?」


中学生の白鳥ミヨリは廊下である人間の噂話を聞いた。


同じ中学生で別の学校だったが噂になるほどサッカーが上手い男の子がいるらしい。


ミヨリは、剣道部で強くなりすぎて浮いた存在になったので大好きだった竹刀を捨てて剣道部を辞めたばかりだった。


そんな時に、ミヨリの中学校でサッカー部の練習試合が行われた。


放課後、ミヨリは何気なくグランドに足を向けた。


「あれじゃない!キャー可愛い!」


周りの見物している女子が騒いでいた。


ある少年がボールを持つと歓声が上がった。


ミヨリは、その時に初めて新川正弘を見た。


試合は、正弘がハットトリックを決めてミヨリの中学は負けた。


しかし、正弘はチーム内で浮いていた。


そんな正弘にミヨリは親近感を持った。


高校生になって廊下で身長が高くなった正弘を見かけてすぐにミヨリは告白した。


サッカーをしないで帰宅部になった正弘は逆にイキイキしているように見えた。

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