第6話 伝説の魔導書~レクイエム~

ゴーレムを倒した俺たちは、デザートタウンへ向かい、ようやく着いた。

「少し、休憩しよう」

「そうですね。」

こうして、俺たちは、しばらく自由行動をとることにした。

「マスター、何で闇属性の魔法が使えるのか分からないのか?」

急にトーカが聞いてきた。

「そう言われても…あのときは、少し体が軽くなって、キラースピアが使えて…」

「そうなのか…なら図書館で手にいれた魔導書を使えるかもな」

この、魔導書はレクイエムと言われ、古代の時代からその力を求めて、争いが生まれるきっかけになった魔導書である。

「それを俺が使って良いのか?」

「使えるならいいんだがなぁ…これを使うためには、闇の魔法を1つ極めなければならないんだ」

「ミカエルは、かなり強かったのか」

「そうだな、あいつは闇の魔法を使えるんだが、お前には使わなかったんだな」

「なんでだ?」

「多分…お前が闇属性を持っているのに気づいたんだな」

そのとき、いきなりクナイが飛んできた。

「危ない、マスター!」

トーカが俺をかばい、クナイがトーカの背中に刺さった。

「大丈夫か!?」

「心配するな…これぐらい…」

1人の女の声が聞こえた…

「大したことないなぁ~王候補さんよ!」

髪の毛がピンク色のクノイチと2人の忍者がいた。「お前さんが持っている魔導書よこしな!」

「誰が渡すか! くらえ、クリスタルショット!」

「当たらないな、いくぞ!ガムネット!」

2人の忍者が攻撃を仕掛けてきた。

「なんだ、このネット…ベタベタしていて離れない…!」

「とどめだよ! 無限手裏剣!」

「うわぁ~!」

「マスター、これを使え…」

トーカは刀剣に戻ってしまった。

「トーカ、待ってろ! 魔導書よ!俺に力を!」

「主の名前は、佐藤 明…闇属性高等魔法の獲得数…0、いや、特殊です。 強制魔力解除に切り換えます」

その瞬間、もう1人の自分が完全に目覚めた!

「我が名は、グレン・アストラル・ルシファー! この世界を支配するもの」

明の体から、もう1人の明が生まれた。その姿は、魔王に相応しい立派な姿をしていた。

「この方が…魔王様…まさか、この少年の中に封印されていたなんて…」

「お前たちは、どこの者だ…」

「無属の国コスモです」

「分かった、もう下がってよい…今から、この世界の魔王を倒し、我が魔王となる」

こう言い、魔王ルシファーは、この世界の魔王討伐へ行った。

「一度引き上げるぞ そして、この事をバン様へ伝えるぞ!」

この出来事が起こり、世界は、大きく変化をした。この世界の魔王は、敗北し、魔王ルシファーがこの世界の支配を進めた。

その頃…エミリアは、倒れている明を助け出すことに成功し、エミリアの故郷であるコスモへ向かった。

「こんなにも、ボロボロに…」

「エミリアか、よく戻ってきた。その男か王候補は…こんなにもなって」

「お父様、何とか出来ませんか? お父様の力なら…」

「分かった…私のつかいのせいでもあるからな。 オールドケア!」

明のキズは、だんだん塞がり、元に戻った。

「うッ…! ぐはっ…! なんだこの体…!」

オールドケアは、体を治すのと引き換えに体の一部が宇宙空間のような色になってしまうのだ。

「その、色があるときは、魔力が低下したいることをあらわす。大人しく寝ていろ元王候補よ」

「エミリア、あいつは 誰だ?」

「あの方は、私の父で無属の国コスモのトップであり、魔王幹部の1人 アースです。

「そうなのか…ってエミリア お前…魔王幹部の娘なのか!」

「そうなんです。 とは、お父様とゆっくり話してください。私は、外の魔王軍の敵と交戦してきます」

そう言って、エミリアは部屋から出ていった。

「アースさん、あなたは、なぜ俺を…」

「エミリアがキズだらけのお前を抱えて来たのだ。しかも、お前からは、魔力が感じられ無かったのだ」

「あ…ありがとう…ございます。あと、俺の刀剣は、知りませんか?」

「分からない」

そう言って、あるものを持ってきた。

「これは、宇宙の書(コスモグリモワール)といい、私の持つ魔法でないと使えない。だが、君のコードなら使えるかもしれん」

「俺には、魔力が…あと、どういう状況なのかも、さっぱり…」

明は、自分が今、どこの立場にいるのかも分からなくなっていた。

「レクイエムあれだけは、消さなければならない」

「なぜてすか…?」

「あれがあることで全てが変わった…今までは、魔王があれを持たないことで世界のバランスを保っていたのに、新しい魔王が手にしたことで世界を支配しようとしている」

明は、何をすればいいのか、何のために戦っていたのか分からなくなっていた…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る