加藤は新宿区のある団地で記録された映像を観ていた。佐々木の説明によると、そこは住人が減少し、残っているのは高齢者が数世帯との事だった。

 警察が独居の高齢者に貸し出している安否確認用の機器が異常を検知し、すぐ近くの公園で整備作業を行っていたFWUが徴用されて急行した。

 室内の記録映像は画像処理されていた。FWUは警察から与えられた権限でドアを開け、倒れている住人が発見された。救急の要請がなされたが手遅れだったと表示された。記録は救急隊員が駆けつけて運び出す所で終わっていた。

「新宿ですらこれです。地方なら発見までもっとかかるかも知れません」

 佐々木が記録映像を止めて隣に現れた。加藤は映像を小さく畳んで返事をした。

「大変衝撃的ですが、だからといって住居内の監視や侵入が許されるとは思えません」

「すべての世帯にそうするのは無理でしょうが、安否確認用機器とFWUを連動させたいと考えています。異常があった場合、警察と付近のFWU両方に連絡が行くようにし、警察の要請なしにFWUが急行できるようにすれば警察官かFWUのどちらかが先着できます」

 佐々木は茶を飲んで続ける。

「従来だと警察に連絡が行き、警察官が確認してから救急などが要請されます。人手があった時代ならそれでも良かったのですが、そのやり方だと今回のような場合は異常検知から救急隊到着まで十五分以上はかかると予想されています。遠隔操作のFWUなら今の記録の通り、十二分前後です。間に人間を挟まなければもっと早く対応できます」

「人間が処理を遅らせる要因になるのは分かります。ただ、監視なしに行わせる行為としては重大すぎます」

「ですので、まずは警察が貸し出した安否確認用機器を持ち、かつ、了承頂いた世帯のみです。他は従来通り変更はありません」

「全国で行うのですか」

「はい。これについては警察庁と足並みをそろえます。むしろ過疎地域を多く抱える地方自治体の方が強い興味を示しています」

 加藤は腕を組んだ。

「安否確認用機器の仕様を提供頂ければ、実装そのものは簡単でしょう」

「どうかされましたか。何か心配ですか」

「私の立場でこう言うと変ですが、そこまでFWUに依存してよろしいのですか」

「加藤さん、私は警察官です。治安を維持するのが仕事です。そのためには使えるものは使います」

 そう言ってから加藤の表情をうかがって付け足す。

「済みません。分かりきった事を今更言いました。しかし、私は真面目です」

「分かりました。本社に提案します」

 CMSの上層部と研究所はすぐに了承し、提供された機器の仕様をもとに命令を組み上げ、試験を行い、修正されて配布された。加藤と佐々木は試験から配布までを見守った。

 異常な信号が発せられた場合、FWUはタイプに関わりなく独自の判断で機器を設置している住居に入る事が可能になった。この場合に限り、都市整備用であっても徴用の手続きは不要となる。

 警察はその命令を実行する前にこの計画について公開し、機器を配布している世帯に直接説明した。明示的な許可が得られない場合は従来通りの扱いとされた。

 加藤達は安否確認用機器とFWUの緊急事態対応について記載した公報が出てから、集会場『国防と治安維持の自動化を考える』でこの件を取り上げた。議論は起こったが、概ね好意的な反応だった。ただ、計画に賛成する者も、正しく運用されているか監視が必要という点を強調していた。

『ここの集会場は国防と治安維持の自動化がテーマだけど、人手不足は何でも自動化するだろうな』

 誰かの意見、と言うか独り言が人々の同意を集めていた。

『悪くないさ。お陰でGDPは微減で済んでる。もっと自動化したら増加に転じるんじゃないか』

『キノコ人間と生体回路が自動化社会を空想でなく手の届くものにしてくれたから、昔みたいに一億超える人口は不要だし、ベビーブームが来なくても何とかなるよ。日本人は適正な数で落ち着くさ』

 みんな黙った。

『人間が関わらずに回る社会。そうまでして維持する意味って何かな』

 さっき独り言をつぶやいた者が言った。他と違い、テキストのみで装飾がない。

『かと言って、ここまで築き上げた社会と文明を捨てる気はないよ』

 マンモスを追うビジネススーツの人間のアニメーションが皆を笑わせた。加藤も笑った。

 それから記事の整理をし、終わらない議論を後にした。

「いいえ。当初は戸惑いがあったようですが、今では頼りにされています」

 数日後、勉強会『春告草』でFWUが反感を買っていないか佐々木に聞くと、最近のアンケートの集計結果とともにそう答えてくれた。警察庁と防衛省も結果を読みながら頷いている。

「感情の変化が伺えます。ロボットの存在を上からの監視や管理とするのではなく、見守ってくれている、とする人が増えています」

「FWUの背後に人がいると思っているからでは?」

 佐々木の説明に対し、防衛省が言った。加藤が代わりに答える。

「そこは曖昧です。FWUをひとりの人間のように扱う様子が多く見られます。個体を配色で区別しており、別の場所に移ると探す人がいます。一方で、話しかける際に背後の運営者に向けたような口調があるのも事実です」

 防衛省が具体例を問う。

「例えば、各個体に命名する人がいます。ペット感覚なんでしょうか、あだ名のような名前ですね。FWUは名前は使いませんが、状況次第で呼びかけられているとわかれば反応します。逆に背後の存在を想定している人がFWUに話しかける時は、『あなた達』とか『おまえら』と言う傾向があります」

 加藤が言い終わると、警察庁が別の調査を示した。

「FWUによる緊急対応ですが、対象者以外からも要望が出始めています。子供や高齢者がいる世帯が主です。また、先程の佐々木さんの話の補強ですが、若い世代を中心に人工知能による監視に抵抗感がなくなる傾向があります。むしろ人間による色がつかないと歓迎さえされています」

「人工知能に抵抗感が薄れていくのは日本だけではないようです。外国でも同じですね。若い世代からというのも同じ」

 佐々木が別の調査結果を映した。

「子供の頃からあるものには抵抗感がなくなるのでしょう」

 防衛省が言う。

「装備の人工知能化への反対意見はほとんどありません。判断は人間が行うという前提ですが、情報処理を生体回路が行う新装備は受け入れられています」

「加藤さんは今後どうなると考えていますか。自己組織化や創発状態になる事に常に懸念を表しておられる立場としては」

 佐々木は図表を片付けて聞いた。

「どうやらブレーキをかけられる段階は過ぎたようです。今後は『共生』していくのでしょう」

 加藤の答えに三人は首を傾げたり、疑問のアニメーションを浮かべたりした。さらに続ける。

「前にFWUをアリの群れに例えましたが、その群れにとって我々や我々の社会は何でしょうか。彼らは命令群によって自律し、都市整備や警備業務をこなします。我々のためにです。彼らがそうした行動の目的を容易に達成するために人間に干渉する時が来るのではないでしょうか」

 言葉を切った。三人とも続きを促す。

「もちろん、危険性はありません。安全基本命令は絶対ですし、オフスイッチは我々が握っています。かと言って、FWUが社会で果たしている役割を考えれば、オフスイッチはよほどの事がない限り使えないでしょう。ならば、『共生』です。我々はアリの群れの奉仕を受けますが、同時に彼らからの要求を受け入れなければなりません。小さい例ですが、すでに東北の一部自治体はFWUの蹄に合わせた舗装を行おうとしています。提案したのはFWUのデータを分析したCMSの研究チームですが、言ってみればロボットに気を遣ったようなものです」

「それは道具を使いやすくしたに過ぎないでしょう。車のために道路整備するのと変わらない」

 佐々木が反論した。

「いいえ、車は舗装の工法や材質まで指定しません」

「FWUはしたんですか」

 警察庁が驚いた風に言った。

「はい。詳細なデータをつけて。そうした方が効率上昇すると提案してきました。日本中の公道を歩いてますから、比較検討は簡単だったでしょう」

「FWU自身はお互いを区別しているんですか。それとも集団がひとつになった個体なんですか」

 加藤の返事に防衛省が尋ねた。

「あ、『日本中の公道を歩いてる』って言ったのは情報共有しているからです。各個体はばらばらです。ひとつの頭脳みたいなものはありません。ただ、情報が均質に混ざるまでの時間はかなり早いのでひとつのように錯覚してしまいます」

「『共生』と言われましたが、相利ですか、片利ですか」

 佐々木が話を戻した。

「相利でしょう。かなり身勝手な考えですが、FWUは与えられた目標を達成する事で正の行動評価を獲得します。そして我々は正の行動評価を多く獲得した命令やアルゴリズムを増やしたり、強化したりします。これはFWUが利益を得ているとも言えます」

「奴隷みたいですね」

「いいえ、言葉に気をつけて下さい。FWUは人型をしているだけの道具です。利口ですが人格はない。法人格すらないのです」

「失礼。人型をしているというのがこれほど自分の考えに影響を及ぼすとは思ってもいませんでした。しかし、アルゴリズムに対して淘汰圧をかけているのが我々なら、人為淘汰をしている家畜のようなものですね」

「ええ、『共生』というよりそっちの方がふさわしい言い方かも知れません。でも、『共生』と言いたいですね」

 三人は加藤の顔を見た。

「個人的感情をむき出しにしますが、初期からずっと開発を行ってきたので優れた道具として見て頂きたいなと思います。人や家畜扱いはちょっと……」

「道具と『共生』ですか」

「そう、変ですね。変な考え方です。優れた道具は人間の延長だと思います。工芸品を作っている職人を見ていると、どこまで腕でどこから鑿かわからなくなるでしょう。FWUもその位になって欲しいですね」

 皆黙ってしまった。佐々木が取りなすように声を上げ、次の記事の進み具合や編集方針について確認し、雑談をして別れた。集会場から去った後、加藤は画面を全部消して水を飲んだ。

 休日、散歩をしているともめている声を耳にした。神社に入ろうとしたPタイプを高齢の神職が押しとどめており、横で警察官が困った顔をしていた。通常の巡回だという警察官と、今日は特別な神事があるので遠慮してくれという神職の話はお互いにすれ違っていた。屋内にまでは入りませんよと言う警察官に、神域に入れるわけにはいかないと神職が丁寧ながらも断固として断っていた。

 汚れ、と言う言葉がそこを去る加藤の耳に残った。

 休み明け、出社すると佐々木と研究チームからメッセージが届いていた。

 佐々木からのメッセージはオプション装備についての相談だった。他社が開発したFWU用の水中作業ユニットや飛行ユニットの有用性についての質問だったが、添付されていた仕様を読み、あまり有用とは考えられないと返答した。そういった作業なら過剰にオプションをつけるより専用のロボットを開発したほうが効率がいい。汎用性を広げすぎるとかえって中途半端になると私見を付け加えた。

 研究チームの方は気になる情報だった。各地方において都市整備用の行動に小さな逸脱が見られていた。ある地方では有害鳥獣駆除の名目で烏や猿への投石が見られ、同様に別の地方では猪を追い払う行動が報告されている。いずれもFWU自身は住民の安全で快適な生活を実現するための都市整備行動と判断していた。

 行動に至る経緯を逆上ると、住民が会話の形でFWUに指示し、鳥獣駆除の要望を伝えていた。

 地域住民と交流する事は問題ないが、そこで汲み上げられた要望を報告なしに行動に移したのは問題だった。

 だが、住民も自治体の担当部署も黙認していた。投石など追い払う方法は住民が教えていた。

「法的な面はさておき、こういった独自判断と行動をどうするかが我々の問題です」

 上司は厳しい顔で言った。

「一般市民との交流によって命令と同等の目的が生成され、それを実現するための行動をとる。このような形で実現するとは思っていませんでしたが、緊急の対応は不要でしょう。見守っては?」

 加藤は真面目な顔を作っていたが、どうしても目が笑ってしまう。

「こんな独自行動を放置するのですか。加藤さんが懸念していた事そのものでしょう」

「そうですが、そうではありません。私はFWUが住民と交流している点をユニークだと思います。我々が依頼に応じて作成し、仮想空間で試験し、修正して送り込む命令ではなく、会話の中で作成される命令と目的です。従来のロボット利用とは異なる面が現れようとしています。繰り返しますが、見守りましょう」

「私達は企業です。説明責任を果たさねばなりません。これをどう説明しますか」

 加藤はもう微笑みを隠さなかった。

「説明? 不要でしょう。住民がFWUと話をしている様子があれば十分ですよ」

 画面の向こうで横をちらりと見る。

「済みません。臨時の会議なので。また話しましょう」

 画面から上司が消えた。加藤は背もたれを倒し、天井を見上げて笑った。流れるデータは安全が確保されている事を示している。

 研究チームの報告を呼び出し、都市整備用FWUの行動に影響を与えた命令群について調べた。最近になってCMSが配布していない命令によって行動目標が設定されており、それが一パーセントに達しようとしていると分かった。

 それらは独自判断の場合もあったが、地域住民との交流の結果である場合もあった。また、日本だけではなく、FWUが活動している各国で同様の事象が見られた。

「Pタイプでは発生していませんか」

 その調査結果を送ると、佐々木が心配そうに連絡してきた。

「警察業務用は指揮命令系統がはっきりしているので発生しにくいでしょう」

「しにくい?」

「都市整備用と情報のやり取りをするので無いとは言えません。両者の垣根を下げるようにした以上、変わっていくのは分かっておられたはずです」

「それはそうですが、変化が早すぎます」

「早いというのは我々の基準です。人工知能とつきあう時に誤解しやすい点です」

 佐々木は手を組んだ。

「制御できますか」

「安全基本命令があります。これは絶対です」

「『絶対』とおっしゃるのですか」

「そんな言葉を使うと軽く聞こえるかもしれませんが、現実的な運用を考えた場合、FWUは基本命令を破ったり回避したりするようにはできていません。そういう意味で『絶対』です」

「少し安心しました。しかし、意図的な侵入、テロや犯罪、いたずらはどうですか。対応できますか」

「今も侵入の試みはありますし、危うい事例もありますが、行動の実行には至っていません。生体回路はかなり強固です」

「その強固さが、我々の制御に対して向けられはしないですか」

「ない、と考えています。命令から目的を抽出する際、安全基本命令を厳守します。与えた命令がそれに反しなければ実行されますが、そうでなければ破棄されます。我々が与える正当な命令は拒否されません」

「誤解はありませんか。目的抽出時に命令を誤って解釈したらどうでしょう」

 加藤はちょっと考えてから答えた。

「初期ならあり得ました。ちょうど職場に配属されたばかりの新人がミスをするようなものです。しかし、FWUはもう新人ではありません。誤解釈が生じたとしたら、命令を与える側に原因を求めた方が現実的です」

 佐々木も少し考えて言った。

「加藤さんは慎重派だと思っていました」

 微笑んで加藤は答える。

「いいえ。私は慎重だった事など一度もありません。転ばないようにしているだけです。そして、今のFWUは少々の事ではつまづかないほど安定しています」

「そこまで安定したとすると、次の目標はなんですか。FWUに何をさせますか」

「『自治』ですね」

「可能ですか」

「能力はあります。後は人々が受け入れるかどうかです。ロボットが自分で自分のする事を決めるというのにはさすがに反対が出るでしょうし、法整備も簡単ではないでしょう」

「それはそうでしょうが、加藤さんはどのような『自治』をさせたいですか」

「主には繁殖と配置です。どこにどれ程の数を存在させるか。それをFWU自身に決めさせたい」

 佐々木は会話が途切れるほど長めに考えた。

「これはまた……、驚かされます」

「しかし、『共生』の行き着く先は必然的にそうなります。人間がいちいち計画を立てて指示せずとも、社会がどうなるか、何を欲しているか先読みし、それに奉仕するために行動するロボット。私の近頃の目標でもあります」

「日本をあなたの実験場にするのですか」

「あまり人聞きの良い言い方ではありませんが、そうかもしれません。新宿は以前、私の実験場でした。新宿のキノコ人間は思ったより早く日本中に広がりました。これから世界にも広がっていくでしょう」

「ついていけないかも知れません」

 お手上げ、と言うような身振りをし、佐々木は飲み物を飲んだ。

「それはいけません。一般市民ならともかく、我々は死に物狂いでついていかなくてはなりません。そういう立場です」

 加藤はまっすぐ画面の中の佐々木を見て言った。

「軽率でした。おっしゃる通りです」

 画面横にはFWUに関する様々な統計が流れている。事故と故障率、栄養液の融通頻度、自主的な部品交換の傾向、自治体の境を越えた通信回数、一般市民との交流による目的の策定と行動の実行がいつどのように行われたか。すべてが絡み合い、どれが原因でどれが結果なのか分かりにくい。文字が反転し、タグが付き、メモが貼られながら表示が切り替わる。統計自体が命を持ったかのように変化していた。

 佐々木との会話を終えた後、届いていた上司からのメッセージを開いた。細かく、長いものだったが、結局現状を追認すると言っていた。また、次世代生体回路の情報へのアクセス許可が降りたので詳細を見ておくようにと言う業務指示も含まれていた。

 加藤に公開された情報によると、新しい生体回路は岬の予想が当たっていた。『黴と粘菌』方式の改良ではなく、脊椎動物の神経細胞を癌化させて用いる。開発経費は桁違いにかかるが、現在のFWUの量的成功から回収は可能と踏んだようだ。

 その図によると、FWUは基本的に我々と同じ構造の脳をもつ事になる。場所は胸郭だが。

 そして、人間と違い、生体回路は神経細胞を使っていても状況に合わせて自律的に変化する事が可能だった。増殖と破壊、再構築が可能な脳と言える。癌の研究が生み出した成果だった。

 演算能力はそれほど向上しない。収めておける回路の数には物理的な制限がある。しかし、どこを切っても同じような構造の『黴と粘菌』方式に比べ、人間の脳のように様々な構造が重層的に組み合わさった新型は、まだ研究が不十分な『勘』と呼ばれる直感的分析と判断の人工的な実現を期待されていた。

 世界を人間のように認識する機械、と要旨にはあった。人間社会で活動する上で、それがどのように有効性を発揮し、他社に対する先進性となるかと、少々大げさに記載されていた。

 加藤には現在の生体回路上で動いている命令群が新型でも同様に働くよう研究する任務が新たに振られた。それに伴い異動が行われ、警視庁との業務は他の者に引き継がれる。来月頭からだった。

 新たな研究チームを率いる事になる。部下は加藤が選んでよかった。岬を含め、以前のチームの数名にメッセージを送った。

 そこで勤務警告が三度目になった。画面をさっと片付けて退社する。外の空気は深夜でも緩んでいた。宵のうちにかなり降ったらしく、道路にはところどころ水たまりができていた。

 歩いていると都市整備用やPタイプとすれ違う。それぞれの仕事をしている。光の色にピンクや黄色が加わっていた。

 中央公園では蟇が濡れた道を横切っていた。踏みそうになって小さな声を上げ、道を譲ってしまう。近くで掃除をしていた都市整備用FWUがやってきてつまみあげると草むらに運んだ。

「ありがと」

 礼を言うと、いつの間に覚えたのか会釈するように頭部を傾けた。

 加藤は微笑んだ。


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新宿のキノコ人間 @ns_ky_20151225 @ns_ky_20151225

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