第28話


たまに子供を連れてきて抱いて欲しいと言う者もいて驚きはしたがぎこちない手つきで抱っこすると、とても嬉しそうに帰って行く。


しばらく歩き、街外れまで来た。


「大丈夫?」


心配そうにするシルク達。

柚茉と亞夜は笑顔で返した。


「綺麗な世界だね。」


2人は嬉しそうに笑い合い笑顔が止まらない。


それを見たシルク達も安心した。


「記憶…。」


皆でのんびりしている途中、城の傍で爆発のような者が起こった。


「柚茉!!」


「うん!!」


「「羽根フィーア!!」」


2人は急いでその場に向かう。

止めようとしていたシルク達の声など聞こえていなかった。


2人が1番に着き、その場に降りると城の兵や街の成年達だった。


「おかえりなさいませ。」


そう声をかけてきたのはナオト。


「2人とも早すぎ。」


息を切らしながらシルク達も着いた。


「襲われてるのかと思った…。」


「ここは地上で言う学校の敷地。日々鍛錬に励んでるの。言おうと思ったら飛んでくんだもん。速さも変わりないね。」


そう言って腰を下ろすシルク達。


「…ごめんなさい。」


「何処か休憩しましょ。」


亞夜が辺りを見回し休憩場所を探す。


「なら城に。」


城はすぐ傍。

皆は一度城の中にある大きな部屋に入った。


「…落ち着く。」


柚茉と亞夜はそこで深呼吸をした。


「2人の部屋。」


「サイナ様とサリナ様の?」


「そう。」


2人は置いてあるモノを触ったり眺めたり…。


「亞夜。私決めた。」


「うん。私も柚茉と同じ考えだと思う。」


2人は頷き、皆の方に向き直った。



「…一緒に言おう。」


「そうだね。」


「「記憶を戻します。」」


2人は強くそう言った。


『主は主だよ?いいの?』


「翼さん。私、あなたたちと友達になりたい。主と精霊じゃなくて、普通につまんないことで笑ったり出来る友達で居たい。もちろんシルクとレイとも。」


「私も同じ。街を歩いてて思った。どれだけ凄い人だったのとか。色々。皆、サイナとサリナが大好きなんだよ。それが良く分かった。だからお願いします。私達のこと忘れないで。もし私達の意志がなくなっても忘れないで。」


『当たり前だよ!!』


「ありがとう。」


2人は強く抱き合った。

その後に翼達とも。



2人は一通り終えると、お互いの手を強く握り珠を出した。


「「ラヴィ。」」




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