第23話


「「我と契約する者達よ。我の前に姿を現し我と共に再び力を。精霊乃泉ジェスフィール。」」


2人が呪文を唱えると光が2人を囲み攻撃はされなかった。

そして力を合わせるように呪文を唱えた…。


だが、何も起きない…。


「あれ?」


“お二方!!聞こえておりますか!?”


“ナオトさん!何にも起きないよ!!”


2人は脳内通信テレパスに集中しながらも攻撃や防御を繰り返した。


“僕の予想ではありますが、貴方方の力に対して呪文が弱すぎるかもしれません。天界で1番力があるお方しか使えない精霊術があります。それを使ってみて頂けますか?”


“お願いします!”


2人は再び集中した。


「「我と契約せし精霊王達よ。我の前に再び姿を現し、共に戦いたまえ。我が愛する者達を愛しきモノ達を護るため。力を貸したまえ。精霊神デスジアース。」」


呪文を唱え終わると幾つもの光の柱が現れ、暴風が吹き荒れた。


「何これ!?」


「なぜ同時に唱えるのですか!!」


「え!?」


ナオトは暴風に飛ばされ、2人は虹色の光に包まれると、周りに幾つもの光が現れた。


「何!?」


それぞれの光が消え、何人もの子達が現れた。


「この人達が精霊?」


『主。ありがとう。』




『ナオト。ありがとう。君は結界の中に居て。』


吹き飛ばされたナオトを助け結界の中に入れた者がいた。


「柚茉!!話は後だよ!!業火乃精霊ハイヤーガースト!!」


亞夜が普通にはなったはずの術は魔獣達を焼き尽くし、収まることがない。


「これが精霊の力?鎌鼬乃怪士ウィッドガースト。」


柚茉もまた放った風は暴風などでは言い現せないほどの風が吹いた。


「すごいっ。水龍乃泉ドーラガースト。」


次々に術を放つ2人。

今まで効かなかった魔獣達に効き、どんどん倒れていく。

そして周りに降りてきている者達が次々に鎖をかけ、封印を施す。


『久々なんだから加減しろよな。』


「…すいません。雷神乃右腕ナーズガースト。」


『普通の術もいけるはずですよ。』


魔獣達を拘束し封印しながら2人の周りを飛び回り、言葉を残していく。


「はい!!疾風迅雷ビションストーム。」


2人は自分達の力に驚きながらも魔獣達を片付けていく。

その顔は必死と言うより何故か少し楽しそう。


フィル。」


初級魔法なのに凄い力で放たれた。


「ふぅー。最後なのになんで初級魔法?」


「なんとなく。やってみたかっただけ。」


「バカ。」


2人は飛び回って少し疲れたのか、封印も無視してその場に寝転んだ。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る