第18話


準備が出来たようで3人は外の結界の前にいた。


全校生徒が結界を囲うように座り、結界の傍には先生達が結界を強化していた。


「お一方ずつお願いしますね。さすがにお相手が難しいと思います。」


「どうする?」


「柚茉からどうぞ。」


「やったね。」


3人は結界の中に入った。


「こっちに飛ばさないでね。」


「自分に結界張って。」


「はぁーい。」


嫌そうに答える亞夜。


「魔術階級はどうしますか?」


「あー。超上級だと見学の意味ないから上級で。」


「分かりました。羽根のハンデはください。よろしくお願いします。」


「お手柔らかに。」


2人は構えた。


「始め!!」


羽根フィーア。」


「私は羽根禁止か…。あっ。フェンタ。」


「羽根がないだけで同じじゃないですか。駄目ですよ。僕の方が弱いんですから。」


「仕方ないな-。解除レリーズ。あっ、あまり早く動かないでくださいね。見えなくて困ってたから。加減はします。」


「分かりました。」


「行きます。疾風迅雷ビションストーム。」


砂嵐ミアーム。」


強風スティーク雷雨オンウィーア氷乃矢エスフリール。」


「なっ。業火乃焔ヘルフィール鎌鼬乃風シチール。」


「すごーい。」


柚茉は上手くかわしながらとても楽しそうにしている。


業火乃精霊ハイヤーガースト鎌鼬乃怪士ウィッドガースト雷神乃右腕ナーズガースト。」


「ちょっ。」


「そこまで!!」


柚茉は亞夜以外の強い相手につい本気に近い力を出してしまい、危ないと思った亞夜が止めた…。


「ごめんなさい!!」


ナオトは片腕と羽根を大きく負傷した。


「さすがです。」


「亞夜。」


「バカ。」


「本当にごめんなさい。羽根フィーア月神乃治癒ディアーナ。」


柚茉はナオトの負傷した箇所に優しく触れた。


「…え?」


「はい?」


「最初から使えますか?」


「治癒魔法ですか?」


「いえ。羽根の方です。」


腕の傷も羽根の傷も綺麗さっぱり治ってしまった。

だが、羽根は王族か本人でなければ治癒魔法は効かない。

それに完全に綺麗に治るなど、今の王族には誰も出来ない。


それは授業でも教えはするが、柚茉はサボり魔。亞夜は会長で授業に出られないときの方が多く独学。

知らないようだった。


更には羽根を出せば本当の力が惜しみなく出せるのも地上では教えない。

柚茉は反射的にやったのか知っていたのかは分からないが、とんでもない力なのは分かる。


「あっ。大丈夫ですか?羽根を出してしまって。」


「もうバレたから。」


「体調の方です。」


「そう言えば平気…。」


「本当!?私も大丈夫かな?羽根フィーア。」


嬉しそうに反応して羽根を出す亞夜。


すると2人の手元に天界の城にあるはずの本が戻り、またあの声がした。 



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