第17話


「その者にもよります。例えば僕の親や地上の者が死んだとしても転生はまず不可能です。王族や直属部隊など、それなりの力のある者は転生する可能性もあります。ですが、断定は出来ません。もし転生が可能であれば、今までの歴代の王族や直属部隊の者も転生しているはずですが、そんな例は聞いたことがありません。」


「もし転生していたとすれば記憶がないなどの障害とかはあり得ますか?」


「可能性はあります。転生ばかりは本当に断定できないモノで王族方も調べてはいますが、何とも言えません。ですが、生まれ変わりと言った者は存在しますよ。その者に前世があるように考え方や得意不得意などが似ていると言うだけで、前世の記憶は全くありません。転生は王族の方々の予想ではありますが、力も見た目も何もかもがそっくりだろうと。ですが何か1つ記憶がなかったり、力がなかったりはあるだろうと言うことです。」


「羽根が記憶を持っていることはありますか?」


「それはあります。羽根だけは前世や前々世の方と全く同じモノですから、覚えてはいるでしょうが、話が出来る等は聞いたことがありませんので覚えていると言うだけです。」


2人は散々話を聞いて疲れたのか伸びをした。


「あっ。ナオトさん。鍛錬に付き合って貰えませんか?」


「僕みたいな者で宜しければ力は及ばないと思いますが。」


「やった!!」


2人はいきなり元気になり、許可を取るため校長に脳内通信テレパスを送った。


“校長!!”


“ビックリした。どうした?如月。”


“外の結界使っていい?”


“構わないけど何かするのかな?”


“ナオトさんと鍛錬。自分達で張るの面倒くさい。”


“ならぜひ校内の生徒にも!!”


“…やだ。”


“あのね。生徒達の勉強にもなるんだよ。”


“…分かった。すぐだよ。”


“ありがとう。”


「どうだった?柚茉。」


「全生徒に見学させるって。」


「よく許可したね。」


「仕方ないじゃん。勉強にもなるし、天界の城は人手不足だし。」


「お気遣いありがとうございます。」


「いえいえ。ナオトさんって封印術出来ますか?」


「はい。一応一通り可能ですが、他の力を借りての封印術は王族しか使えませんよ?」


「そう言えば、ここの本にも載ってなかった。」


「はい。誰かを降臨させての封印術は力の消耗が激しすぎるのと、危ないと言うことから王族しか使えません。」


「封印術の術式は知ってたら?」


「どの封印術かによるのですが…?」


「私、四方封印。」


「それは王族の封印術ですね。他であればお付き合いしますよ。」


「お願いします!!」


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