第15話


「天界の者達は皆、口をそろえて優しい方だったと言っています。力があるにも関わらず、誰にでも同じ対応で皆の憧れだったと。」


「凄い人だったんだ…。城のことを聞いても良いですか?」


「もちろんです。」


「城には王族と地上から上がった兵士だけなんですか?」


「いえ。兵の中には天界の者もいます。地上の者達は天界の城と呼んではいますが、それは天界の一角に過ぎません。村のような場所もあり、王族の他にもたくさんの者達が暮らしています。」


「なのに兵不足なんですか?」


「はい。力に関しては地上と何ら変わりはありません。確かに産まれながらに魔力はあり、寿命も5倍ほどありますが、鍛えなければ兵になどなれません。」


「そこは同じなんだね。産まれながらに力が強い人も居るんですか?」


「はい。居ます。その者達はすぐ城へ仕えます。」


「それは強制ですか?」


「とんでもないです。皆、城に仕え王族の力になりたいと願う者ばかりです。」


「ナオトさんの出身は?」


「天界の東街イーシアと言う街で産まれ、ごく最近から城へ仕えています。」


「年の取り方も地上の者と同じですか?」


「いえ。天界では4歳で地上で言う20歳まで育ち、そこから年は取りますが、見た目はそのままです。」


「ナオトさん何歳ですか?」


「12になります。地上では60歳くらいです。」


「ユーリ様も結構年寄りですか?」


「いえ。ユーリ様とライ様に関しましては禁断の術を使われ30歳のままです。」


ライとはもう1人の王様。

ユーリはサイナの、ライはサリナの夫にあたる。


「禁断?そんなこと話して良いんですか?」


「はい。ユーリ様よりそう言われてます。禁断の術では年を取りません。例え、サイナ様とサリナ様がお戻りになっても術を解くことは出来ません。」


「禁断だから犠牲とかあったんですか?」


「いえ。魔法は解くことが可能ですが、禁断の術に関してはかければ解けません。なので禁断とされています。」


2人はご飯で外に居るときは対して話さず、特別図書に居るときだけナオトから色んな話を聞いた。

ナオトも知っていることは全て包み隠さず答えた。




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