第14話


封印術の本を読み終える頃、外は朝になっていた…。


「授業どうする?」


「私行かない。」


「なら私も。」


2人はそのまま特別図書に居た。

特にすることもないので適当な本を読みながら、たまに外に出た。


昼頃になると、校長から脳内通信テレパスが来て校長室に行った。


校長室に入ると、そこには先日来ていた青年がいた。


青年は2人が来るとすぐ立て膝になった。


「先日はたくさんのご無礼を大変失礼致しました。改めまして王族直属部隊所属、ナオトと申します。どうか以後お見知りおきを。」


「あの…。止めて下さい。確かに私たちの方が上かもしれませんが…。」


「失礼致します。」


ナオトは軽く頭を下げてから立ち上がった。


「話し方も先日の方がまだ良いんですけど…偉そうな…。」


「申し訳ありません。」


「あんな話し方の方ばかりなんですか?」


「いえ。とんでもございません。城の人員不足ゆえ、挑発した話し方の方が鍛錬に励むかもしれないと試させて頂いた所存にございます。」


「そうですか。」


「本日は昨日さくじつお預かりしました本の報告に参りました。」


「何か分かりましたか!?」


2人は喰い気味に話を聞いた。


「申し訳ありません。女王陛下の魔力があることしか分からず、他はまだ調べております。」


「…そうですか。」


2人は見るからに落ち込んでいる。


「申し訳ありません。魔力があることを伝えるように言われ参りました。」


「ありがとうございます。」


「お二人さえ宜しければ僕のような者で頼りなくはありますが、話を伺うようにも命を受けました。いかがなされますか?」


「…よろしくお願いします。」


「有り難きお言葉。このナオト、無礼なきよう全身全霊をかけお二方にお力添え致します。」


ナオトはもう一度立て膝になり軽く頭を下げた。


話が終わると2人はまた特別図書に戻った。



ナオトは2人に話かけることもなく、ただ近くで直立している。

そんな2人は読んでいた本を散らかしたままの机に戻った。


「ナオトさん。女王のこと知っていますか?」


「はい。サイナ様とサリナ様のことでよろしいでしょうか?」


双子の女王の名は歴史の本で知っていた。


「はい。あのお願いなので話し方をもう少し崩して貰えませんか?」


「分かりました。昨日ユーリ様がお話された内容は聞いてから来ました。サイナ様とサリナ様に会ったことはありませんが、話では何度か聞いています。」


「どんな方だったんですか?」




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