第13話


4人が特別図書に着くと、結界を張っている兵達が部屋を丸々囲むように広がった。


柚茉は本の近くまで行き指さした。


「…私たちが持ったとき、大きな揺れが起こったんです…。私達のせいかは分からないのですが…。」


「大丈夫だよ。」


柚茉は息をのんで、その本を手にした。


しばらく待っても何も起こらず、安心してユーリに渡した。


ユーリは本を受け取り開いてみた。


「確かに何も書いていないね。」


心当たりがないようで何回も閉じたり開いたりして見ている。


「何だろう…。」


「何か分かりますか?」


「うーん…。少し預かっても構わないかな?城に持ち帰って調べてみるよ。」


「もちろんです。僕にも何の本かは分かりませんので、何かあるのでしたら。」


「ありがとう。分かったら連絡するよ。」


「ありがとうございます。」


本には何の異変もなく柚茉も亞夜も首を傾げた。


「揺れの他に何かあった?」


ユーリは2人を気にしている。


「まるで生き物のように暴れていたので…。」


「そう…。君達の記憶や羽根の本当の意味が分かるかもしれないね。すぐ調べるよ。他に気付いたことはあるかな?」


2人は考えてみるが特に見当が付かなかった。


その後、ユーリは何事もなく天界に戻った。


校長は校長室に戻り、2人は何か分かるまでは授業など本人の意志に任せた。



学校の屋根の上…。


「「はぁ~…。」」


2人で大きなため息混じり深呼吸をした。

そして特に話すこともなく、空を見上げていた。


「柚茉。生まれ変わりだったらどうする?」


「…分かんないよ。」


「ごめん…。」


2人はしばらく屋根の上で寝転がっていた。



夜になり、2人はなぜか特別図書に向かった。

特別図書の本に何かないかと1つずつ見ていく。


柚茉は何故か天界の城の歴史が書かれた本に釘付けになっていた。


それに気付いた亞夜も一緒に本を読んだ。


そこにはユーリが話していた事が書かれていたが、双子の女王の死については書いていなかった。

まるで今もまだ居るかのように書いていた。


最後まで読むと、ページは白紙が何枚かあったが何も書かれていなかった…。



2人は本を戻し、封印術の本を見ていた。


「覚えるの?」


「うん。何となくだけどね。」


2人は封印術の何冊かある本を必死に読んで覚えた。

だが封印術だけは簡単にできるモノではなく、それなりの訓練が必要になるとも書いていた。


でも何故か熱心に覚えた。

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