第12話


「断定は出来ない。けど君達の羽根は王族か、天界の者しか持たない羽根なんだ。昨日の兵とは戦ったかな?」


「いえ…。」


「そうか…。」


「あの。いくつかお聞きしたいのですが…!?」


「構わないよ。今は僕達だけだからね。」


亞夜は周りを見回した。


「直属部隊の張る特殊な結界だから外に声が漏れることもないよ。僕に付いてくれている3人も直属部隊の者達だから聞かれても問題はない。」


2人は深呼吸して更に話を聞いた。


「羽根を解放するときに声がしたんです。私は元々記憶ないので分かるんですけど、亞夜も聞こえてたんです。記憶を戻せって。」


「…ごめんね。それは僕にも分からないよ。羽根は元々その子の持ち物であり、潜在能力みたいなモノで前世の記憶があるモノも時にいるのは聞くけど…話せるのは聞いたことがないんだ。もし声の主が女王だとしても、そんなことは言わないと思うよ。」


「そうですか。」


「他にあるかな?」


「あっ。特別図書に題名のない本があるんです。2人ともがそれぞれ開いたんですけど真っ白で…。」


「…見に行けるかな?」


2人は判断が分からず校長に目をやった。


「女王が不在なのはここだけの秘密にしてね。何かあれば困るから。…校長。特別図書に行きたいんだ。」


「…結界を張るので、お待ち下さい。」


「結界は動かせるから問題ないよ。」


「どうぞ。」


4人は特別図書に向かった。


「王様は心も考えていることも読めるんですか?」


「まだ下手くそだけどね。女王の方が上手いんだよ。」


「双子の女王はどんな方なんですか?」


「素敵な方だよ。自分よりいつも天界や地上の者達を思って護ってくれる。」


「ユーリ様は女王の夫と言うことですか?」


「そうなるね。」


「他に王族と普通の者達の違いはありますか?」


「特にないと思うよ。あるとしても彼女達は自分達の話はしないからね。」


「そうですか…。」


「私達は城に行かなければいけませんか?」


「…いくら僕でも、その羽根を持ってる以上は無理に連れて行けないんだ。君達の意志で行くことは可能だよ。羽根はその者の地位とほぼ同じだからね。本当なら僕も君達に偉そうに話すのは間違ってるんだよ。でも今は君達をこれ以上混乱させるわけにもいかないからね。」




特別図書に向かう中、色んな話をした。

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