第10話
次の日。
他の生徒達は自習となり、外にある大きな運動場に校長から言われ、先生が総動員で中が見えない結界を張り、中に向かって立て膝をしていた。
その中には柚茉、亞夜、校長がいた。
2人は訳が分からぬまま元気がない。
結界が張られてから数分も経たない内に空から光の柱が幾重にも重なり、結界の中にも柱が降りた。
「いらっしゃった…。」
校長はそう呟くと結界のギリギリまで下がり、立て膝になった。
そして空から3人ほどの兵隊に囲まれ、1人真っ白の綺麗な服の男性が降りてきた。
「結界は変わるよ。ありがとう。」
「ありがとうございます。」
校長が立て膝になって頭を下げたまま答えた。
すると付いてきた3人の兵士とは別に数人降りてきて結界の周りにいる先生達と交代し、先生は校内に入った。
そして真っ白の服を着た青年が柚茉と亞夜の前に来た。
柚茉と亞夜は分からなかったが、とりあえず頭だけは下げている。
「頭を上げて。初めまして。天界の城の現王のユーリです。」
2人は相手の名に固まった。
「昨日は城の兵が失礼しました。」
「…いえ。」
「彼は直属部隊の一員ではありますが、まだまだ新人なので失礼がないようにと思い、城を任せてきました。」
「…はい。」
“王が普通、こんな少人数の兵隊で降りる!?”
“ありえない。”
「すまないね。人員不足で僕が降りるのも3人しか付けられないんだ。」
ユーリは2人の
「「もっ、申し訳ありません!!」」
2人は今までなかったことに驚きを隠せない。
「そこまで固くならなくて大丈夫だよ。話をしに来ただけだからね。昨日の話は聞きました。」
「…はい。」
「僕も自分の目にしたモノしか信じていません。見せて頂けますか?」
2人は顔を見合わせたのを合図とし、羽根を出した。
「「
昨日と何ら変わらない美しく、そして巨大。
「…確かに。君も出ておいで。
ユーリも自分の羽根を出してくれた。
だが、その羽根は2人よりは小さく三重ではあったが、美しさは引けを取らないモノだった。
ユーリが羽根を消すと、2人も羽根をしまった。
「校長。君は結界の外にいなさい。」
「はい。失礼致します。」
校長はすぐに結界から出てしまった。
「あの…。私達何なんです…しょうか?」
「話しやすい話し方で構わないよ。君達は間違いなく僕よりは上の存在だからね。」
「…。」
2人は唖然とし、顔を見合わせた。
「王様より上なんているんですか…?」
「僕は王を名のっているだけで本当の王ではないから。」
良く分からない言い回しに2人は首をかしげた。
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