第7話


教室に戻り、しばらくすると先程の青年と校長が現れた。


”最悪。特別授業かな?”


“かもね。それか校長がバラしたとか?”


2人はまた脳内通信テレパスで会話をしている。


校長は青年と先生の隣に立ち、話し始めた。


「今日は天界の城より王族直属部隊の方に来て頂きました。」


“王族直属部隊って?”


“バカ。王族が天界では最強だけど、その方々に匹敵する力の持ち主しか入れない言わば精鋭部隊せいえいぶたいってこと。”


“あー。なるほど。”


校長が一歩下がり、青年が前に出た。


「前々から言っているように天界の城は兵不足だ。力がある者はすぐにでも城へ行ける。お前達の力を見るため、また鍛えるため来た。校長。1番強い者は?」


「…。」


校長は少し悩んでから柚茉達ではなく6年のエースを呼んだ。


「よし。疲れは?」


「まだありません!!!」


6年のエースである学生はやる気に満ちていた。

天界の城の警備がキツいわけでも辛いわけでもない。

本当であれば、やる気に満ち、行きたいのが普通。王族直属部隊が来たときも、まるで有名人を生で拝めたと思うのが普通なのだ…。


「超上級は使えるか?」


「はい!!」


「高等魔法は?」


「使えます!!」


「よし。」


こうして毎度、6年の数人と対戦を行い魔力を見て強そうなら連れて行く。

学生側も対戦を見て勉強するのだ。


「始め!!」


校長のコールがかかり、対戦が始まるが瞬殺と言う言葉が相応ふさわしいほどすぐに終わってしまった…。


「校長。」


青年はかなりガッカリした。


「まさか。直属部隊の方がいらっしゃるとは思いませんでしたので…。」


「他にいないのか?これでは何の意味にもならない。全く。すこし鍛え方が可笑しいのではないか?」


「すいません。」


直属部隊相手に誰もが退しりぞき、まともに反論など出来るはずがない。


“あいつウザいね。”


“仕方ないよ。若いのに直属部隊だもん。王族の代理に動くような人達だからね。”


“挑発してるようにしか取れないわ-。ムカつく。”


“駄目だよ?直属部隊なんか相手にしたら。”


“わかってるよ。”


“まぁ普段は来ないだろうし、あんな人ばかりでもないんじゃない?人不足みたいだし。”


2人はそんな話を脳内通信テレパスで行いながら生徒達の1番後ろで呆然としている。


難癖なんくせ付けるように言う青年に校長は申し訳なさそうにヘコヘコ頭を下げるしかない。


青年は仕方なさそうに自分の持つ魔術や武術、剣術を披露した。


生徒達は嬉しそうにキラキラした目でそれを見て盗もうとしてはいるが、動きがとにかく速い。


最後に青年は自分の羽根を出してみせた。


羽根の鋭さは本人が念じれば壁など簡単に打ち砕く。


6年生の教室は日頃鍛錬ばかりのため、結界が何重にも重なり更には異空間にしてある。



青年の美しく、強大な羽根に生徒達はただ呆然とするしかない。


ある2人を除いては…。

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