第4話


「見ていたよ。それは?」


「いや。バレたから折角だし使えるかと思って。S級魔獣でしょ。これ?」


魔獣にもランクが存在した。

S級、Z級、A級とあり、Sが1番強くAが1番弱い。

Z級とA級の魔獣は倒せば灰になり消えてしまうのだが、S級は消えないため封印するか他の方法をとらなければならない。


「問答無用で如月が次回からの生徒会長だよ。」


「何でですか!?魔獣は亞夜だって捕まえてますよ!?」


確かに魔獣をとらえている鎖は2本ずつでそれぞれのモノだ。


「先生に伺ったけどね。神崎さんとの対戦の時に使っていたのは高等魔法の中の1つ。2年生の君に使えるモノではないんだ。」


「…あれ?」


「勉強サボるからよ。」


柚茉は最初から高等魔法、超上級魔法が使えたので、あまり良く知らない。

本当であればミスト事態は中級、攻撃系でも2つ重ねた雷雨オンウィーアなどは上級となり、1、2年生は初級魔法をしっかりとしたモノにする。3、4年生で中級、5、6年で上級を教えて貰える。


最初から軽々使えたのは柚茉くらいのものだろう。


たまに独学者はいるが、そこまで完璧な形にはならなかったり、魔力が弱すぎて軽く痛い程度にしかならなかったりする。


更には、いくつもの魔法を繰り出せるのは大人でもコントロールが難しく失敗するモノもいるほどだ。


「君もだよ。神崎さん。」


「え!?会長は1人のはずですよ!?」


「特例だよ。すまないが先程の君たちの力を測らせて貰った。本気じゃなかったかどうかはさておき測定不能だったよ。」


この魔法学校では半年に一度、健康診断の変わりのような測定日がある。

どの魔法が得意か、何処が弱いか、全体的に見て魔力はどの程度か。

測定器は学生専用のため、測定不能と出ても大人を越えるとは言えない。


「とりあえず、その魔獣どうしたいの?」


「あっ…。魔獣庫まじゅうこにでもと…。」


柚茉に関しては普段授業を受けていないので、ほぼ完全にバレてしまったことに肩を落とし、亞夜は会長の荷が下りると喜んでいたのに普段、柚茉としか戦わないので加減を忘れていた。


校長は一応、校内で1番魔力が強い者がなる。

魔獣庫まじゅうことは魔獣を保管する場所なのだが、そこの警備は厳重で何人もの先生の結界と常に2人の警備がいて大量の本が並ぶ、魔獣は封印するか、消滅するか、カードにして必要に応じて出したりする。

それが全てあるのが魔獣庫まじゅうこだ。


校長は4匹の魔獣に軽く触れ、術を唱えた。


どんな施設の1番上はそれなりの魔力、体力、知識が無いと出来ない。

天界の城の警備兵と対して変わらない。



術は難なく成功し、2匹ずつのカードに変わった。


2人は当たり前のように校長室へ付いていった。



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