第3話


「失礼します。」


校長室に入るとまだまだ若そうな男性が座っていた。


「見ていたよ。如月さん。神崎さんに言われてね。」


「…はい。」


「君はテストの回答もずらして書いているね。」


「…はい。」


「超上級魔法だけは簡単に使えるモノではない。分かっているね?」


「はい。」


「いつからかな?」


「さっきたまたまです。」


「神崎さん。」


「前々から使えますよ。私も如月さんほどではありませんが使えます。」


柚茉はちょこちょこ亞夜を睨んでいる。


「何故黙っていたんだい?神崎さんに少し話は聞いたが、成績も大差ないそうじゃないか。超上級魔法は6年生でも数人しか使えないモノだよ。」


「すいません。」


「怒っているわけではないんだ。最近、魔獣が増えているのは知っているかい?」


「はい。」


「超上級魔法を使えても、あれは相当な体力を消耗する。少ない6年生や先生方だけでは対応しきれていないのが現状。本当の羽根の大きさは?」


「分かりません。最近では全く使ってなかったので。」


「出してみてくれるかな。」


「ここでは…。」


羽根の大きさは、その者の力量を計るのに1番手っ取り早い。


「校長。来ますよ。続きは後ほど。柚茉。」


亞夜は柚茉を連れ校庭に急いだ。


「あそこまでバラす!?」


「だから会長の方が楽だっての!!」


「天界の護衛なんて興味ないの!!」


「ヤバい!!1年が居る!!」


「ったく!!」


2人は窓から校庭に降りた。


急いで1年を校舎に走らせた。


「如月さん!?貴方では無理よ!!」


何も知らない先生が1人、柚茉をかばう。

が、相手は魔界の獣。

4匹の魔獣。さすがの亞夜でも1人では対処できない。


魔獣達はより力の強いモノを狙う。


「邪魔!!」


柚茉は先生を後ろに引っ張り、魔法で刀を出した。


「柚茉。こいつら龍のウロコ持ってるから刀じゃ無理!!」


「もう!!めんどくさい!!亞夜のせいだからね!!」


2人は防御したり攻撃したりを繰り返す。


「何でそうなんのよ!!記憶取り戻す手伝いでしょうが!!…これもダメ!?」


「てか。いつの間に超上級まで覚えたのさ。ムカつく。」


「柚茉が隠してるからでしょ!!」


「よし!!まず1匹!!」


「高等魔法!?」


「亞夜も出来るでしょうが!!」


柚茉は1匹拘束しながら、いくつも魔法を繰り出す。


「サボってた割には良くご存知で!!」


「ライバルくらいは見とかないとね!!」


「真面目にやれっての!!」


「亞夜が真面目すぎるだけでしょ!!」


2人は言い合いをしながら楽しそうにしている。


しばらくして4匹の魔獣はどうにか倒し、鎖をかけた。


「封印術は?」


「あるわけ無いでしょ。」


「本当に?」


「聞いたことがあるだけで使ったことないの。」


「使えるかもよ。」


「亞夜がやれば。」


「出来るわけないでしょ。柚茉と一緒で使ったことないもん。」


「あっ。」


「何!?」


「学校だった…。」


「アホ。」


「亞夜が悪い。」


「会長確定だね。」


「最悪。平穏な学校生活がぁー。」


2人が4匹の鎖をかけた獣を前に話していると校長が来た。



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