きれいな白
「...あ、お母さん?あのさ...。」
もうすぐ授業の鐘がなる。だけどこんな白黒つかない状況で授業が始められるわけがないということはみんなわかっていた。そう、教室に授業をするために入ってきた狸爺...いや、
「おい、何しようと企んでるんだよ。」
「...できた。あった。勝った。」
「は?何戯言いって...」
『...あ、もしもし?小町です。』
『あ、琴か。なんでスマホにかけてくるんだよ。俺らが付き合ってることバレるじゃんかよ。』
『え、だからスマホにかけちゃだめって言ったの?』
『当たり前だよ。履歴残ってるとバレるだろう。』
『ああ、消しとくよ。それは。付き合ってること、バレるといけないしね。』
「...なんだよこれ。おい!止めろ!やめろ、こんな嘘っぱちなもん俺は信じないぞ!おい!...わかったぞ!合成かなんかだろう。そうだろう!こんなの嘘だ!」
「信じなさいよ。本物以外、何があるのよ。」
『...で、なんの用だよ。』
『ああ、最近、壮亮めっちゃピリピリしてない?』
『そりゃあそうだろう。だって今のクラス、超ウザくないか?』
『私は寿もお局様もいるし、好きなんだけどなー。』
『ほお。女子とかギャーギャーうるさいし、男子は女子と仲良くしすぎ。キモいんだよ。俺だけかな、まともなの。はっはっは!』
動かすことができず、なんの偽りのない美しい白の証拠だった。
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