お前のせいだ

 周りからコソコソ声が聞こえた。あいつやっぱ嫌いだのうざいだの何だの。


「...お前のせいだ。」

「え?」

「...お前のせいなんだよ。」

「え?」

「...お前の、お前のせいなんだよ!全部!!!」


みんながこっちを向く。私だって何があったか全くわからない。なんで逆ギレてんの??


 「お前、消せって言ったじゃないか。消したって言ったよなあ!?なんで残ってんだよ。スマホの履歴見せて消したよーって言ったじゃないか。お前はやっぱり嘘つきだ!嘘つきなんだよ!みんな見ただろう!!ほら見ろ。嘘つきじゃないか!」

「興奮しすぎだよ。落ち着きなって...。」

「落ち着けるかよ!ほら、周りを見ろ。お前のせいでまた嫌われたじゃないか。俺はお前のせいでいつも嫌われるんだよ。全部...全部...すべてだよ!俺の友達が減るのはお前のせいなんだよ!!昔みたいに一緒に遊んでくれるやつ、もう誰も居ないのはお前がみんなに嘘ついていい顔して...そのせいだよおお!」


 なんでも私。なんでも。たしかに私は壮亮のことが嫌いだった。大嫌いだった。が、私は誰にも壮亮のこと嫌えだのウッざいよねーなんてがなかった。


 「お前がいなければ、俺は今頃クラスの人気者でかわいい女子と一緒に遊べてたのに。お前が女子にあいつうざいから近づくなとでもいったんだろ。なあ!!」

「そんなこと、言ってないよ。私から聞いたことある?あいつに近づくなでもなんでも。」


ないよー、私たちはみんな自ら嫌いだから無視したりしてるだけだよー、琴ちゃんはむしろフォローしてくれてたんだよー...。

みんな周りから声をかけてくれた。嬉しかった。

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