回想

 「昔は良かった。」よく耳にする。そして私もそう思う。最近、突如植物人間になる病が流行りだしたらしい。

 ふと幼少期の頃を思い出す。遊んでくれた彼らはどうしているのだろう。進学、就職するにつれて段々離れていってしまった。また会いたいものだ。

 戻りたい、そう考えたときに彼らは私の前に現れた。気付いたら私も昔のままの姿になっている。そして私は昔の姿のまま、遊びに耽ることにした。


 「先生、またです。」

 看護師に呼ばれた医師は、またかと頭を抱える。“彼ら”が幸せそうに眠っていることを救いだと思い込もうとしながら。

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