変わる世界で語られる変わらない愛の話

多元宇宙など、王道なSFの作品だが、技術によって悪事をなす人がいるわけでもなく、宇宙を滅ぼすような災害的存在と戦うわけでもなく、しかし、多元宇宙による理不尽さを淡々と日常として受け入れている主人公の価値観が面白い。
けれど、物語の最後に語られる、妻を見つけ出すようという主人公の意志に静かな熱はどれだけ世界観が違ってもある種普遍的な愛のようにも思える。
短くてさっと読める割に、読後の満足感はとても高め。

オススメです。