第4話 出現

なんと母の亡骸から漏れ出ているのだ!

此の世に生まれてこようと足掻くモノがいる!!


天井への賛美歌と冥府への鎮魂歌が 響き渡り、

異様に腹が膨れ誕生の衝撃を観る僕は、

己がマリアの救世主出産に立ち会っているよな錯覚を起していた。

君よ観よ!

天使と死神が現れては消え、

消えては現れ再生と消滅を繰り返している。


狭さに苦しみ

噎び泣いては肢体を揺らす。


産毛が観えた。

もう直ぐ生まれる…?!

絶望に苛まれ、

異様な興奮で朦朧となる意識。

グガァァァヴアアアアア!!

獣が産まれた・…?!


…眼が覚めると、

僕は病院のベットの上に横たわっていた

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