第3話 狂と 歌

産声が聞こえた。

何かが這うような音がする。

猟奇的な2人の死が一身に降り懸かり、

あまりの出来事に錯乱状態にあった僕は、

始め,全く気付かなかった。

しかし、次第に大きくなる声に共鳴して、

食器が

家具が

家が

振動し血の海が波打ちだしたので、

流石に正気を取り戻し現況が居ると思われる方向に、

恐る恐る眼を向けた。

声と音の発生源を探す、と其れは思いもよらない処にあった。

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