第2話  -回想- 流血表現があります 苦手な方はご注意下さい

水琴窟-No2-



彼女=母が密やかな決意を決めた日、

彼=父も又、決意を固めていた。

父親が帰宅早々、リビングで殺し合い開始。

「お前を一時でも殺人犯なんかにするものか…っ!!」

狂ったように刃物を振り回す父親。

「私より先に死んで…っ!!!」

刃を避けつつ、父を刃物で刺す母。

子供には未来があるから’と

2人は刃を僕に向けなかった。

寄越したのは深い嘆きを湛えた眼差し。

徐々に赤黒く染まっていく絨毯。


-十数分経過-


やがて、力尽き床に沈み逝く両親。

その間、僕は

狂気の沙汰を理解できず、

部屋の隅で両足を抱え小さく縮こまり震えていた。


その刻…

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