第3話サラムヤ村。
2人して、遠くに見える村らしきものをめがけて、まだ日は登っているはずだが少し薄暗い森を歩く。
「わらわはあんまり暗いところは好きじゃないのだ」
それはもちろん俺も一緒だ、目が覚めたら誤って異世界に来た上わざわざ好んでこんな気味の悪い森なんか歩きたくもない。
「しっーー」
俺は少しカサカサとした音に耳を立てた、確かに聞こえた、とても小さな音だったけれども、まるでいたずら好きの子供がお菓子がたくさん入っている袋をあさくるような音だ。
「今なんか聞こえなかったか?」
「わらわはなにも....」
2人は森の中で足を止めあたりを背中あわせ向きで、見渡した。
「きやぁぁぁぁ」
聞いたことないぐらいの叫び声が森中の鳥たちをすぐに追い払った。
「どうしたんだ?!」
「こいつがいきなり飛び込んで来てぇ」
何かと思い莉乃を見ると、大人にはなりきってないぐらいの、まだ小さめの、猿だった。
「あのー莉乃さーん手を貸した方がいいですかー?」
そう言ったんだがスルーされたそれもそのはずだ、
莉乃は猿を自分の体から引き離そうと必死にしている。
ちょっとしたら猿も諦めたのか、自分から、街の魚を食い逃げした猫みたいに逃げていった。
「ったく一体わらわがなにをしたと言うのじゃぁ‼︎」
「そーだな莉乃も莉乃でまだあんなに可愛い小さな猿にあんなに驚いて必死になっていたじゃないか」
「なんだよその言い方は‼︎わらわは気にいらぬぞ!」
莉乃は怒っているのか、ぷんぷんとした感じに言った。
しかしそんな会話も終わった瞬間からまた静かな森に帰った、2人はゆっくりだが方角は村の方へと足を運んだ。
2人に薄暗い感じから解放されたのは、歩き始めて、多分30分程度だろう。まぁ体内時計ってやつだよ。
2人には30分ぶりに、光が照らされ、少し眩しそうにしていた。そうしていたうちに、目の前に村の入り口らしきところが現れた。
見慣れない鉄の柵で覆ってあり、入り口らしきところが鉄かと思われる門に、見張りらしき人が1人突っ立っていた。
2人は眩しさに慣れを感じながら、門へと近づく、すると鉄らしき門のくせにぴょこんと小さな看板が地面に刺さっている。そこには、〔 サラムヤ村 〕 と書かれていた。
村の名前を確認しつつ呼已が門の前に立っていた人に声をかけた。
「あの〜すみません、僕たちここにくるの初めてなんですけど、中に入れさせてくれることってできますか?」
「、、、、、」
「えーとーいいでしょうか??、、」
「、、、、、、、」
いくら呼已が声をかけてもビクともしない、それを見ていた莉乃も言ってみる。
「わらわは何もわからずのところからきたんじぁどうか通らせてくれないか?」
莉乃は少し可愛い声で言った。するとさっきまで呼已が問いてたことを、完全に聞いてないように、大きめの門が開きふむ、とだけ言い門があいた。
「一体俺のどこがだめだったんだぁ、」
「そーじゃなもー少しかわいさというものが呼已どのには足りておらんのでは?」
「なんだよその言い方、俺は男だから可愛い風に言わなくたっていいんだ。」
莉乃はさっき俺が言ったことを仕返ししてやった感満載の顔で言ってきた。
色々とありながらも結局門を通させてくれた。
見渡してもまだ何も見えない、少し先に木製の身長よりやや大きめの扉がある。2人はそこまで足を運び、呼已が両手で開けた。
ドアを開けた先は、まるで別世界、さっきの森といい何もない一本道というものを頭から消してくれるぐらいに凄かった。
何がそんなにすごいかと言うと、まず人のにぎやかさに街の雰囲気、商店街も並び色んな格好をした人たちもいる。そこに感激したのだ。
「ここがサラムヤ村なのだな!」
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