磁石式結脱可能武器兼結脱可能防具フリーパマグロウ

サバンナから帰ってきた彼らはいきなり研究所に籠もり、徹夜をはじめた。



「出来たぞ…!出来たぞぉぉぉぉ!!!!!!!!」


「よくやったぞわが弟よぉぉ!!!!!!!!」


「やりますねぇぇぇぇぇっ!」


あーやってるやってる。

3徹勢が一人増えてしまった事はもう誰も突っ込みそうに無いから…いいや。


シキ君、カコさん、園長さん。

3人掛かってサンドスター分離機、そしてグレープ君用の新ガジェットを作っていた…


シキ君…


彼は大丈夫なんだろうか。

私がどうこう言える物では無い、そんな事は百も承知。だが…


装着者というだけでも大変だ、彼だって表情にさえ出さないが護れなかった命に涙したりセルリアンに怒りを感じている事だろう。


仲間を一番理解しているのは彼なのかもしれない。私は彼に…もしこの仮説が正しいならば彼の気持ちを下手に撫でた事になる。

彼は基本的に他人に対してあっさりと対応する。ソレは大好きな彼女のジェーンさんにも言えるし、私やグレープにも言える。

しかし、こんな事をするのは彼の優しさにあると思ってる。表情に出さないだけ。表情に出てないだけで彼は大好きなジェーンさんを抱きしめたいはず。彼は私たちと一緒に…


戦いたくなんて無いはずだ。


仲間を思うほど辛い、そんな事は彼もそうに決まってる。だからあっさりと対応してくる

濃くはっきりと対応しちゃったら…


失ったときが怖いから。


チームのあったかい光になりたい、なんて夢物語もいいところだね、こんな冷めた私でごめんね


そんな事を思いながら腕輪を撫でた。

嫌になるくらいにオレンジが冴える。


___________________


「「「ブゥゥゥゥゥゥン!!!!!!!!」」」

やった…遂に完成したぞぉぉぉぉ!!!!!!!!


サンドスター分離機とはっ!!!!!!!!

サンドスターが持つフレンズの情報を別々に分けることでどこぞの獅子だろうとなんだろうとかっつんかっつんカァット!!!!!!!!


例えばシロさんのサンドスターは、

ホワイトライオンのサンドスターが主成分として体のほとんどを占めている。

だが、ごく一部に探知不能の燃えるような赫のサンドスターが見られる。恐らくコレが朱雀様のサンドスター、プラズムだろう。

後は、わずかだがヒトのサンドスターやサンドスターロウも存在している。


これだけの要素が1つになって、初めて「シロ」というフレンズが構築される。

ジェーンさんのサンドスターをどれだけこの機械にかけてもジェンツーペンギンのサンドスターしか出てこないのは、彼女が「彼女」として存在している故の事。


レイバルさんとグレープさんのサンドスターは、元々のサンドスターの形質が変化したいわば突然変異種なので、意味固有種と化しているから個別認識が可能だったのだ。


そしてもう一つの機器


セルリアン戦に大いに役立つ機能だと思うのだ…これは間違いないと。


その名は

『磁石式結脱可能武器フリーパマグロウ』

略して磁剣フリーグ!!!!!!!!


合体して大剣、分割して2本の長剣に、分割したのをくっつけて…と、やりようによっちゃ何でも出来ちゃうのだ、磁力がLBsystemに影響しそうとか言わないでね。


遠距離も出来るとかもうアイツ一人でいいんじゃないかな、そんな性能ですがやっぱり弱点もある。

まず操作が複雑過ぎる。覚えれば迫撃怒濤の連携が決まるがちょっとでも間違えると磁石の引力と斥力の関係で装備がすっ飛んで行く

そして機動力に劣る、重い。クソ重たい。

だが解決策もある、そのマシーンこそ…


『磁石式結脱可能防具フリーパマグロウ』

略して磁結合ガロウ!!!!!!!!


…そう、此奴は武器であり、防具でもある。


なに言い出すんだとお思いの方もいらっしゃると思うのだが気にしてはいけない(戒め)

何せフリーパマグロウの一つ一つのパーツは砂鉄レベルまで小さく出来る、菱形も丸も作れるのはそこにある。

装着者は頭のキレるグレープさんだ、きっと彼なら上手くやってくれるはずだ。




大丈夫だろうか…なんか背筋が寒い。

_________________



過信して貰っても困るのだが、今回ばかりは仕方ないかな。


フリーパマグロウ、使いこなして魅せるさ。



二人は森の中の空き地に向かった。



「手合わせ頼むよ、レイバル!」


「ふふん、畏まらなくっていいよ…!グレープっ!」


ザッと地を撫でる足が砂埃を巻き上げ、土に眠る水分が冷気で凍り始めていく…


スッと足を引いた彼の体には重々しい鎧が乗っかっている。


腕を引いた!

まずは取り回しを覚えるんだ。


動かない…

まずは慣れるんだね?


グッと…よし、防御力はそこそこっと…


ハァッ!…ふん、結構硬いじゃん。


今度はコッチだ、このまま殴る!


ヨッと!わりとサクサク動けるんだね?


「磁剣フリィィィィーグ!!!!!!!!」


「来たね!next FreeーZ!!!!!!!!」


まずは鎧をちょっと外して短剣と盾にしてやろう!攻めるぜェ!


初っ端からガン攻め!凍てつけぇ…!


「フゥン!ハァッ!」ガキッガキン!


「ウミャァ”!みん”みぃ!」パンッキン!


「タァンマぁ…ガチンコの“かりごっこ”じゃあないか!…本気かァ?」


「モチのロンだよっ!本気じゃないと扱い切れない、そうでしょ?…来なよ。」


ふんッ!

地面のこことここに磁石刺しとくか。


的外れなところに…?

なんか考えてるね…


「磁力でぶっ飛ぶ!」


「うわぁ!?飛んできたぁ!」ドゴッ


反発でもう一発!


来るね…させるかァ!


「セイハァーッ!!!!」


「Free-Z Zero_Dry!!!!!!!!」


おっとォ!?やるなぁ…?


ふふーん…どうよ!

氷を纏った攻撃をたたき込めェ!



____________________


「はぁ…やるね!」


「そっちこそ!どう?フリーパマグロウの調子は良さそう?」


あぁ!そう答えるつもりでレイバルの手を取ろうとしたとき…



ズッッゴォォォォォォォン!!!!!!!!!!!!!!!!


『やぁッ!…久しぶりだね…』


「「シキリアンッ…!」」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る