みちのり その4

ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ…

「たっ…たすけてくれぇぇぇぇ!」

「アワワワワワワ…ワワ、ワワ」

ラッキービースト抱えながら走るのはきびしいぞぉー…


ちょっと前、あの青いの…セ…何だっけ。

とにかくそいつから逃げる為に走り出した…まではよかったんだが、まさか坂道、それも下り坂って言うね…。





ゴロロロロ…

岩転がってきたぁ!?

青いのもまだいるし!


コツッ



あっ

やba

「ビッターン!ゴンゴロゴロロロロゴロゴロゴロゴロ…」


「バァン!」


…今の

俺よく死ななかったな…

どうやら、坂の下の方まで一気に転がって来たみたいだ。石に躓く意思は無かったので完全に不慮の事故だよ。


ブロロロロロロロ…


!?

エンジンの音!?

救助隊か!?


ブゥゥィゥウウゥン!


うえぇぇぇぇぇ!?


まず、大っきい車が森の奥からすっ飛んできた。その中からは…なんかすっごーく猫っぽい女の子が…

セルなんとかの背中を攻撃し、勢いよく跳びさったと思えば、その後にさっきのおっきい車…見た感じバスがなんとかリアンに突っ込んでいった。


自分でも何しゃべってるかわかんねえ。

けれど、今まさに目の前でそれが起こっていた。


「大丈夫だったー!?」

「あぁ…なんとかね」

「耳」が大きいさっきの女の子だ。

元気な声。明るく活発なイメージなんだが…

耳。尻尾…尻尾!?

「あのさ、その耳と尻尾は何?コスプレ?」

「こすぷれ…ねぇかばんちゃん!こすぷれって何?」


かばんちゃん!?かばんさんいる!?


「ねぇ!君! かばんさん知ってるの?」

「うん!かばんちゃんはすっごいだよ!りょうりも出来るし!もじも読めるし!」


へぇー!すっごーい!

…ってなるか!

文字読めるとか何なの!?

小学生か!

というかそれ以下だろう、おい。

まぁ料理は上手い下手あるが…


「大丈夫ですかぁー!?」

「あっ、かばんちゃん!」

「サーバルちゃんも大丈夫?」

「へーきへーき!こっちの子ほうが大丈夫じゃなさそうだよ!」

「…あれ?」

「やあかばんさん…」

「シキさん…!」

「あっ!そっか!砂浜で倒れてた子だ!

うーんと…シキちゃんだね!」


俺男! オ ト コ ですー!


「サーバルちゃん、シキさんは男の人だよ?」


ナイスかばんさん!流石ですよ。


「じゃあシキって呼ぶね!」

呼び捨て!?初対面だよ!


「サーバルちゃんらしいね!」

認めた!?


ま、まぁいいや…

「ボクたち、図書館に帰りますし、一緒にいきませんか?」

「あぁ…頼むよ」

女性が多いな、ここ。

そして、女性に助けてもらいっぱなしだ…



女の子二人乗ったバスに乗っていたら精神が持たないので、バスの揺れに耐え寝る事にした。…結局耳と尻尾の話を聞き忘れた。




___________________


「うみゃみゃ…かばんちゃん…代わって…」

「サーバルちゃんの膝まくら…いいですよね…!寝てると気持ちいいの判りますぅ!」

「足痺れちゃうよ…ッ!?あいだだだだだ!」


スー・・・

       

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