第9話「飼い主」


病院から帰宅したリーマの家にインターホンのチャイムが鳴る。

リミア「はーい!どなた?」家の前には見知らぬ少年が立っていた。

少年「…リーマくん…いますか?」

リミア「リーマ?いるけど…熱があって休んでるのよ…。リーマに何か?」

少年「この前、家の猫が居なくなってしまって…リーマくんになついていたから、もしかしたらリーマくんが保護してないかな~…って思っただけで…。」

リミア「あら!そうなの?じゃあリーマに聞いてみるから家に上がって!ちょっと待ってて、今、リーマを呼んでくるわ。」少年「…お邪魔します。」


リーマ「…ダルっていうの!そっかそっか!やっと名前言ってくれたね、ありがとう、ダル!」ダル「キョキョウ!」

リミア「リーマ!入るわよ~!」リーマ「ちょっと待って!ダル、隠れてて…。」


リミア「あなた、ダメじゃない!友達の猫を勝手に…」リーマ「ね、猫!?母さん、何のこと!?」

ダル「キョ?」リーマ「ダル!出てきちゃダメだって!」


少年(!?ダル…だと…!?)

ダル「キョー!」リーマ「ダル!どこ行くの!?」


ダルは急に玄関の方に向かって走りだし、玄関の前で待っている少年の肩の上に乗った。


少年はリーマを鋭い目で睨み付け、リーマの目をじっとみる。


リーマ「君は…?」

少年「…。お前…何でコイツの名前がダルだって知っているんだ…?」


リーマ「ダルの…飼い主さん…?」

次の瞬間、少年はリーマに近づきながら声を荒げ始める「質問に答えろ!!なぜコイツの名前を知っているんだ!!」


リーマ「…君は誰…?本当にダルの飼い主さんなの?」

少年「俺はブライ!ダルの飼い主だよ!だったら何なんだ!?」

リーマ「…嘘だ。」

ブライ「なに?」

リーマ「お前は…、お前はダルの飼い主じゃない!」

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