第7話「物語の歯車」

グレイブ「父さん、ちょっと聞きたいことがあるんだけど…。」グレイブの父ドライブ「ん?なんだ急に。」

グレイブ「会社に雷が落ちた後、会社はなんともなかったの?」

ドライブ「ああ。なんともなかったよ。」グレイブ「雷が落ちる前は?」

ドライブ「…特に何もないな~…でも何でそんなこと聞くんだ?」

グレイブ「あ、いや…リーマがその雷が落ちた日から休んでてさ…。」

ドライブ「…リーマくんが?」

グレイブ「うん…。心配で家に電話したら3日前から熱が下がらないらしいんだ…。」

ドライブ「…。そうか、それは確かに心配だな。」

グレイブ「うん…。」ドライブ「…まあ、良くなることを祈ろう。グレイブ、お前にできるのはそれだけだ。お前にそう思われているリーマくんは幸せだな!」グレイブ「ハハハ…ありがとう、父さん!」



ピリリリ…。

ピッ。

ドライブ「D:Rの居場所がわかりました。」

???「…どこだ?」

ドライブ「恐らく私の息子の友人にしがみついているかと…。」

???「だったら早く回収してちょうだい。でも油断は禁物よ。キアが近くで罠をはっているかもしれないからね、くれぐれ慎重によ…。」

ドライブ「…了解。」



ユデア「リーマ…。」リミア「参ったわね…熱が下がらないわ。こんなことならもっと早くお医者さんに診てもらえればよかったわ…。」ユデア「今日は病院は休みだからな…。明日、リーマを病院に連れていってくれ」リミア「えぇ…、そうね…。」

ルイス「…お兄ちゃん大丈夫なの?」

ユデア「明日、お医者さんに診てもらうから大丈夫だ。だからルイス、もう遅いからお休み。」

ルイス「わかった。」



《ブライと違ってあなたは特別なのよ…。だから…だから帰っておいで…キア…》


ピッ!《―メッセージを消去しました―》


キア「誰が帰るものですか…!早くブライ兄さんの所に避難しなくちゃ…!ダルちゃん…!どこにいるの…!?お願いだから早く…、早く戻って来て…!私達は決して離れちゃいけない存在なのよ…!」


リーマ「…大丈夫だよ。僕が守ってあげるからね。」

ダル「キョウゥ…。」

リーマ「君の飼い主さんが見つかるまで…ここにいていいよ…。ゲホッ、ゲホッ。」

ダル「キョキョ!キョキョ!」

リーマ「…大丈夫 大丈夫!明日、お医者さんに診てもらうから…。心配してくれてありがとう。」


…運命の物語の歯車は静かに動き始めていた。

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