第5話「疲れ」

下校の時のあの老人はなんだったのか…。リーマは不思議な気持ちを抱きながら帰宅した。

リーマ「ただいま…。」

リーマはいつも以上に疲れていた。肩に大きな岩がのし掛かっているように重く、胸に縄を締めつけられているような苦しい気持ちを抱いていた。


そのままリーマはベッドに横になった。

リーマは仰向けで天井をじっと見つめていた。

リーマ「…。」


リーマは鼻から息を吐きながら目をつむった。

すると男の人の声が頭に過り聞こえてくる。太く渋い男の声だった。


男『君の夢は何だ?』

男の声に対してリーマはこう答えた。

リーマ『夢…。何だろう…?』

男はリーマに対してこう答えた。

男『君は希望の風に乗れてない。その風に乗ればきっと夢に近づくだろう。』

リーマ『…希望の風…?』

男『そうだ。まもなく君はその風波の乗り口にたどり着く。乗り遅れないように気を付けるんだ。乗ったあとも風波にのまれないように気を付けるんだ。』

リーマ『…?どういう意味…!?』


…リーマ…。

リーマ…。

リミア「…リーマ!」

リーマ「…母さん…?」

リミア「やっと起きた!まったく…夕飯は食べなくてもいいからお風呂に入りなさい。明日、学校でしょう?」

リーマ「…はい…。」


ユデア「…リーマのやつ珍しいな。夕飯も食べずに寝込んでしまうとは…。」

リミア「だいぶ疲れているようですね…。今日は早めに休ませましょう。」


リーマはただただ、とても疲れていた。


だが、この疲れはこれから始まるリーマの物語の序章に過ぎなかったのだ。

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