第四章:資料関係

ヴァルキュリア 戦場の乙女

 〈導入〉 

 ヴァルキュリア、ワルキューレ、ヴァルキリー……。どれもいい響きですよね。本当に。自分の小説には、名前を変えずに登場させたいものです。

 と、私情はここまでにして。

 ヴァルキュリアは「戦死者を選ぶもの」という意味を持ちます。その名の通り、彼女たちの役目は戦で死んだ勇猛な戦士たちを天へと招待することです。


 〈固有名〉

  彼女たちは、戦いの女神もしくは半神で、人数は特に規定されていません。オーディンに酒を注ぐヴァルキュリアは四人いて、それぞれ振るうもの*ゴンドゥルミスト斧の時代スケッゴルド激怒するもの*スコグル

といいます。また、戦死者エインヘリヤル達に酒を注ぐヴァルキュリアも九人いて、それぞれ戦士ヒョルスリムルスルーズ鋭く叫ぶもの*ゴル軍勢の足かせヘルヒョトラ金切り声を出すもの*タングニズル槍を持つものゲイロヌル盾を持つものランドグリズ計画を壊すものラーズグリズ神々の親族レギンレイヴという名前です。

 レギンレイヴという名は、黒い任天堂でおなじみの「斬撃のレギンレイヴ」で聞いたことのある方も多いのではないでしょうか?

 その他にも、有名どころではブリュンヒルデなどがいますが、こちらは英雄神話に登場しているので、私の知識の及ばない範囲であります。


 〈役割〉

 先述した通り、彼女たちはエインヘリヤルを戦場からヴァルハラ宮へと招待します。

 オーディンとフレイヤ、そして運命の女神ノルンがまず戦の勝敗と死ぬ運命の戦士を決め、その後スクルド率いる幾人かのヴァルキュリアが天馬にのったり自らが白鳥になったりして地上へと舞い降ります。そこで特に勇敢な戦士を選ぶのです。ちなみに、彼女たちが地上へと駆ける時に身に着けている鎧の輝きがオーロラだといいます。ワルキューレの騎行……。リヒャルト・ワーグナーの豪侠な旋律を思い起こさせる言葉です。

 なお、彼女たちの先陣を切る未来スクルドは、ノルンの一人でもありますが、彼女とノルンの一員である女神を区別することもあります。



   *ヴァルキュリアのカナ名の正否が曖昧なものに、アステリスクをつけています。

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