Ⅲ.神々の黄昏

 その異変を一早く感知するのは他でもない、ヘイムダルです。彼の吹く角笛ギャラルホルンの音は全ての場所に響き渡り、到来を知らせます。

 すべての神が会議を行うと、オーディンはスレイプニルにまたがりミーミルの泉へ直行します。そこで助言を求めるのです。

 世界樹ユグドラシルでさえもその身を揺らし、三つの階層すべてにその震えは伝播します。

 すべてのエインヘリヤルが、ヴァルハラ宮の五四〇にも上る荘厳な扉から八百人ずつ出陣し、オーディン自身も金に輝く兜と鎧を身に着け、手に握るグングニルの鋭さを示します。

 こうして、すべての神々と巨人、ヘルの住人、そしてムスペルヘイムの魔がヴィグリードに集結するのです。

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