第12話 結果
「ミリアーナ、大丈夫か?」
「はい!ご主人様。治癒魔術師の人たちに治してもらったのでもう大丈夫です」
「そうか」
かなり深い傷を負っていたはずなのに、すでに傷は跡形もなくなくなっている。こおの治癒魔術師はかなりの高レベルらしいな。
「にしても、いい勝負だったミリアーナ。流石だな」
「ご主人様に比べれば全然ですよ」
そりゃ、俺は加減をミスってしまったからな。それにしてもピオラさんには俺の秘密を話して、ミリアーナに俺の秘密を話さないというのは気が引ける。
「ミリアーナ。俺の秘密知りたいか?」
俺は少し重い口調でミリアーナに問う。
「いいんですか?!聞きたいです」
ミリアーナは元気よく、満面の笑みで答えてくれた。
「そうか、そうか。じゃあ、今夜な」
「はい!」
俺はミリアーナの言葉をかみしめながら約束をした。
これから、俺たちの昇格試験の結果が発表される。発表されるのはこの会場のアナウンスでだ。辺りは少し話声が聞こえるだけでとても静かだ。
『只今より、エトーカズヤとミリアーナの昇格試験の結果を発表いたします。
結果は…』
辺りによりいっそ深い静寂が訪れる。アナウンスもいいところで話を切るものだ。
「結果は—エトーカズヤはAランクに昇格!ミリアーナはCランクに昇格です!」
「「「オオオオオォォォォォォォッ」」」
会場が声で振動している。
一気に三つもランクが上がることはここ50年なかったそうだ。そう考えるとこの歓声も納得がいく。
『これを持ちまして、昇格試験を閉会いたします!』
また、歓声が際立った。
それにしてもミリアーナはBランクに昇格か。負けたのに、それほどの実力を審査員に見せつけられたってわけだ。流石はミリアーナ。
俺たちが会場から出ていこうとすると、会場の出口に4人の男が待ち受けていた。
「おうおう、てめぇらがエトーカズヤとミリアーナか?あぁ?」
「そうですか。そこ邪魔なんで退いてもらってもいいですか?」
「てめぇ、昇格したからって調子乗ってんじゃねーぞ?あぁ?」
「アニキ、まずいですよ。こいつAランクのロジャーを瞬殺したやつですよ」
「そんなん、ズルしたに決まってんだろ!DランクがAランクに勝てるわけねーだろ!」
やっぱりそうやって思われてるのか。どっかの誰かが気のことをトリックって言い張ってるみたいだ。もちろん俺はズルなんかしていない。
「で、退いてくれませんかね」
「あぁ?ズルして帰ったからって粋がってんじゃねーぞ!」
やっぱりこいつらヤクザだわ。ここは丁重に気絶してもらおう。
俺は男四人の首筋に手刀を叩き込んだ。もちろんものすご~く手加減してだ。じゃなきゃ死んじゃうからね。
「ご主人様、よかったんですか?」
「何がだ?」
「多分ですけどその人たちの首折れてますよ?」
「え?!」
俺は倒れた男たちを起こしたが、確かに首があらぬ方向に曲がっていた。
(ありゃ~、やっちゃったな。とりあえず、
これでとりあえずは大丈夫だろう。いやーこれからはもっと手加減しなきゃダメだな。というより、手刀がダメだったのかもしれない。今度は人差し指でやってみるか。
「じゃあ、行こうか」
「流石はご主人様です」
俺たちは地上に出る階段を昇ってギルド内に出た。
「すいませーん、カズヤさん。ギルマスが部屋に来てほしいと」
声をかけてきたのはミレイさんだった。横にはサキさんもいる。こっちを見てニヤニヤするのをやめなさい。
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コンコンッ
「入れ」
「失礼します」
相変わらずギルマスの部屋の扉は重いな。
「なんだカズヤさんたちだったか」
なんだとは失礼な。それよりなんのために俺たちを呼んだんだろうか。
「さっき会ったのにまた呼んですまん。呼んだ理由はお前たちの実力を見込んでの依頼だ」
呼ばれた理由はまさかの依頼だった。
「依頼は深淵の森の奥にある山に住み着いている
まさかの
「そのドラゴンってごしゅじ、もごもご」
俺は慌ててミリアーナの口をふさいだ。
「もごもごもごもご(なにするんですか?!)」
「俺は目立ちたくないって言ったよね」
俺はミリアーナの耳元でゴニョゴニョとつぶやく。
「そうでした、すいませんでした」
分かってもらえて何よりだ。
「何を話しているんだ?とりあえず、近いうちにそのドラゴンを退治しに行ってほしい。報酬は弾むぞ」
「じゃあ、明日にはいって退治してきますよ」
「明日って。でもカズヤさんなら余裕でできそうですね」
呆れたようにピオラさんが言ってくる。
「ご主人様。ピオラさんはご主人様の秘密を知っているのですか?」
「ああ、さっき教えた」
「そうですか…」
ミリアーナは頬をプクーっと膨らましてそっぽを向いてしまった。なぜだろう?
「じゃあ、よろしく。明後日までには報酬を用意しておくから。依頼が完了したら買取窓口ではなくここまで持ってきてくれ」
「わかりました。では」
そう言って俺たちはギルマス室を後にした。
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「ご主人様どうするんですか?」
「何がだ?」
「依頼ですよ。い・ら・い」
「あぁ、行ったふりして適当に時間つぶして帰ってくればいいだろ」
「そんなもんですか…」
ミリアーナが呆れたように返してくる。
そう言えばミリアーナに俺の秘密を教えなければ。
「ミリアーナ。俺の秘密が知りたいんだよな?」
「はい。私知りたいです!」
「そうか。秘密を見せるのはいいんだが、他言するなよ?」
「もちろんです。墓まで持っていきます」
「そうか。じゃあ、ステータスオープン」
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名前;江藤 和也 男 Lv128
職業;創世の魔法使い
体力;0
筋力;128000
俊敏;128000
抵抗;128000
魔力;99999999e+22
魔抗;128000
固有能力:不滅 全属性適正 全属性耐性 全状態異常耐性 気配察知[熱源感知] 詠唱短縮[高速詠唱][詠唱破棄][詠唱省略][詠唱改編][並列詠唱] 魔力感知 超高速魔力回復[魔力吸収:自然] 魔法創造[効率上昇][消費魔力軽減] 複合魔法[効率上昇][消費魔力軽減][3属性複合][4属性複合][5属性複合][6属性複合][重複魔法] 韜晦[複数韜晦][名前偽造] 魔力操作[魔力圧縮][魔力放射][座標設置][遠隔操作][魔力設置][遅延発動][魔力吸収] 魔力返還<血>[血盟契約:己] 歩術[疾走][空歩][縮地][瞬光] 限界突破 言語理解
取得魔法:全属性魔法 元素魔法 破壊魔法 重力魔法 時空魔法 生成魔法 守護魔法 付与魔法 精神魔法
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「これは俺の本当のステータスだ。驚いたか?」
ミリアーナは少しぼーっとしながら俺のステータスプレートを見ていたが少し経つと顔をガバッっと上げて何やら考え事を始めた。
「どうかしたか?」
「…ご主人様、私もご主人様に秘密にしていることがあります」
何だろう?俺に秘密にしていること?まさかの返事だった。
「私、ご主人様のことが…大好きです!」
大好きです—大好きです—大好きです—
俺の中でその言葉が何度もリピートされている。
俺は今日、生まれて初めて告白されました。
「え?俺のことが好きなの?いつから?」
「ドラゴンから助けてもらった時です。その後もブラッドウルフに助けられた時やさっきの秘密を話してくれた時。何度も好きって感じてました。でも、なかなか声にできなくて…大好きですご主人様!」
まさかそんな前から。全く気が付かなかった。
「あの、その。こんな俺でよければ。よろしくお願いします!」
俺もミリアーナを始めて見た時からひとめぼれしていた。いつの間にか大切な人だと思ってた。俺もミリアーナが大好きだったんだな。
「ミリアーア。俺もミリアーナのことが始めて見た時から好きだった。そして今日までにミリアーナのことが俺の大切な人になってた。だから…俺もミリアーナが大好きだ!」
「う、うれしいです///」
こうして俺たちは付き合うことになりました。
俺のミリアーナに手出したやつ許さない!マジ卍!(笑笑)
「付き合うなら奴隷は変だよな。
これでミリアーナのステータスに書かれている「カズヤの奴隷」は解除されたはずだ。
「ありがとうございます。ご主人様」
「ご主人様も禁止。これからは彼氏・彼女の関係なんだよ。ご主人様はへんでしょ」
「じゃあなんて呼べば」
「かずやでいいよ」
「じゃあ、かずやさんで」
「さん呼びはおかしいだろ。せめてくん呼びにしてくれ」
「わかりました。カズヤ君」
なんか照れるな。それにしても俺も年齢=彼氏いない歴を卒業したのか。実感がない。でも初めて付き合う人が好きな人というのは特別な感じがするな。
「ミリアーナ。今日は帰ってくるのが遅かったかもうそろそろ寝ようか」
「はい!そうしましょう。カズヤ君///」
なんで照れてるんだろ?やっぱり普段と違う呼び方は照れるのかな?
俺たちは各自シャワーを浴びてベットに入った。
「じゃあ、おやすみ。ミリアーナ」
「はい。おやすみなさい。カズヤ君」
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「アァ…!アッ、ンン…アンッ」
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