第2話異世界転移
ある日少年のもとに奇妙な依頼が届いた
「ある場所にある遺跡の調査をお願いしたい」
確かにかなり奇妙な依頼だった
少年は暗殺者遺跡の調査など行ったことすらない
しかし調査にしては報酬が破格なのだ
暗殺者や裏の人間は基本損得によって動く人間が多い
少年もその一人であった
当然少年はこの依頼を受けた
しかし少年は知る由もなかったこれが少年の人生を大きく変えることになると・・・
依頼は崖が多い山奥だった
通常、山奥と言ったら危険が少ないと思いがちだが
山奥には盗賊のアジトがたくさんある
少年は本格的な暗殺業を営むまでは盗賊狩りをして
生計を立てていた
なので彼には「盗賊殺し」という異名がついていた
その為からに遺跡の調査を頼むのは
報酬が高くてもある種当然の話なのかもしれない
命より重いものなどこの世には無いのだから
山奥に入ると崖を降りて遺跡へ向かっていく
遺跡へ向かう途中盗賊のアジトがいくつか見つかるが
目が会う度に逃走するか目を逸らしていく
ある種過去の行いを含めれば当然と言えば当然だ
遺跡へ着くとそこは深い洞窟になっていた
しかし、誰かがところどころ入った跡がある
察するに恐らく宝目当ての盗賊が出入りしたのだろう
金目のものは期待せずに中に入っていく
中に入っていくと所々に奇妙な絵などが書いてあった
何を指しているかは皆目検討もつかなかった
1番奥まで行くと、巨大な絵が描いてあった
観たこともないような風景や動物と人間のハーフ?
のような不可解なものが描かれていた
世界中の依頼を受け続けた少年ですら
このようなものは見たことがなかった
「ハハッ」
どうせ昔の人間の憧れや妄想だろうと
思い、依頼完了の為、帰還しようとしたその時、
妙な事に気付いた
部屋には隠し部屋があるかもしれない・・と
なぜそんなことがわかるのか
少年は暗殺者だ。扉に人がいるかどうか
些細な音でも見逃さない
僅かなミスも許されないこの世界での仕事の所為か
耳がかなり良いのだ
そして、さっきの自嘲気味の笑い声から
不自然な音の反響を見つけたのだ
部屋をくまなく捜索する
すると・・、大きな絵の横にある二つの石のうち
右側をズラすと隠し通路が見つかった
少年は当然進む
もし何か金銀財宝などが見つかれば儲けもの
そうでなくても何か貴重な遺産であれば
追加報酬を吹っかけることもできるだろう
そんな邪な事を考えながら
中に繋がる通路を下って行った
地下通路の最深部には小さな部屋が一つのみだった
部屋に入ると巨大な台座が一つあるのみ
「ちっ・・・・・」
財宝は何もなしかよと軽い失望感を覚え
おもむろに台座に近づいていく
すると急に光り始めた
「!!!!!!!」
驚きを隠せなかった
そして同時に謎の高揚感すらあった
これを報告すればどれだけの報酬が得られるのだろうと
そんな事を考えてるうちに正面の台座に
手のひらの形の紋様が浮かび上がった
まるでここに手を置くべきような・・・・・
不気味な予感はした
しかし何かに引き込まれるように
手を置く。
すると・・・・・・
正面にマルとバツのボタンらしき物が出てきた
ゴクッ・・・・・・・
そして・・・・
何かに操られるように・・・・・・
マルのボタンを押して、少年の意識は途切れた
「っつ〜〜〜〜〜〜〜」
意識が途切れて目を覚ますと
遺跡の洞窟の中だった
おもむろに頭をポリポリ掻き、
「くっそ、俺ここで何時間寝てたんだ?
まさか仕事中に居眠りするなんて
俺もヤキが回ったか?」
自分の行動に大いに反省したあとに
依頼完了の報告をする為
遺跡から出ようと隠し通路を登って
大きな絵の広場に出た後に大きな違和感に気づく
「おかしい・・・・・・・
確か俺は右側の石をどかして通路を通ったはず・・
なぜ左側から出たんだ?
それとも両方から繋がっていたか?
今日は変なことが多いな」
改めて気を引き締め直して洞窟から出た時・・・
少年は茫然とした
「ここは・・・・・・どこだ?」
本当に頭がおかしくなったか、はたまた
まだ実は夢の中で覚めてないのか
兎に角、今自分が置かれた現実に少年は
全く理解できずにいた
目の前に広がる光景は崖のあった森ではなく・・・
森の正面には全く別の集落、いや街が広がっていたのだ
少年は冷静になり今までの行動を一つ一つ
見直してみると・・・・・・
「あっ・・・・・」
一つだけ心当たりがあった
「まさか・・・・あの遺跡の台座が⁉︎」
思い返せば、あの観たこともない風景や獣人
そして今目の前に広がるこの世界・・・
間違いない・・・・・・
「俺・・・・異世界に来ちゃったよ」
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