最強暗殺者の異世界冒険日記

倉林 アルマ

第1話最強暗殺者の始まり

生暖かい血が死ぬ事によって冷めていくのを

自覚したのは何歳の頃だったろうか

少年が生を授かったその場所は掃き溜めのような場所だった。

道を無防備で歩いていればスリや強奪など、

そんなものは日常茶飯事であり、

裏では薬や誘拐、殺人なども当たり前の世界だった

そしてそんな世界で少年が暗殺者になるのも

いわゆる当たり前のことだったのかもしれない


少年は二人の両親と貧しい家庭に育った

当然そんなとこに住んでいるのだから、

貧しいのはいたって当然のことであったが

少年はそれでも幸せだった

父は近くの工場に働きに母は道での靴磨きで

何とか家計を支えていた

食べるものも少なくお世辞にもまともな物には

滅多にありつけなかったが

父と母の愛さえあれば少年は貧困など

屁でもなかった、が、

しかしその幸せは一つの出来事により

あっさりと崩れ去ることになる

貧困世帯に表れた盗賊によって

アッサリと両親は殺された

盗賊がくる寸前、


「こっちに隠れてなさい!!!!!!!!」


両親によって何とか調理場の物置に隠れることができた

親は殺され、僅かにあった蓄えや金目の物を盗賊が持ち帰りようやっとうまく難を逃れたと思いきや、


ガタッ!


「つっ!しまった!!!!!!!」


物音を立ててしまった


「ん?何か物音があっちからしたなぁ?」


「気の所為だろ?」


「いやいやマジだって、あったから何か物音が聞こえたんだよ」


「殺したやつのガキじゃねえのか?」


「ヒャハハハ!もしそうなら奴隷として売れるぜ!

そうじゃなくても女なら姦通してやるよ!」


「違いねえ!よしじゃあさっさと物置見に行こうぜ!」


ヤバいこっちに来る。バレればもう人生が終わる

どうする、どうする、どうする・・どう・する

ど・・・

殺すしかない!直感的にそう思った

今思えば、自分には生まれながらに生を奪い取る

その才能があったのかもしれない

遅かれ早かれ自分はこの環境にいる限りその道を

歩んでいたのだろう

手持ちにはナイフ一本と母が料理に使っていた

香辛料などが置いてあった

すぐに殺す方法は決まった

あとは奴らがここの扉を開けるだけ


「おい?ここの扉だったよなぁ?」


「あぁ、確かここだったはずだ」


心臓がバクバクなる

緊張してるのか高揚してるのかよく分からかった

若干手は震えていたが、そんなことはどうでもよかった

やらなければやられるのだ

扉の外の足音に意識を集中する


カツッ・・・・・カツッ・・・・カツッ・・・

カツッ・・カツッ・・


今だ!!!!!!!!!!!!!!

外に飛び出し、正面にいる男の心臓に

ナイフを突き立てる!


「ガッ!グフッ・・」


まず標的の一人を抹殺する!

即座に次の標的に移る!

盗賊は二人のみだった

後ろに構えていた盗賊はまさか自分が襲われるとは

思いもしなかったのだろう

慌てて銃を構え発砲する

しかし殺した標的を盾にし、香辛料を投げつける!


「ギャアアアアアア!!!!目っ目ガァアアアア!!!!!!!」


目を香辛料で潰すと即座に頸動脈を斬りつけた!

しかしまだ頸動脈を斬りつけた盗賊は息があったようで、


「たっ、頼む。悪かった。

金目ものは全部やるから見逃してくれ」


命乞いをしてきた

しかし、冷めた目で見た少年は


「お前が過去に命乞いをした人間に対してどういう扱いをしてきたんだ?俺の親もそうだ。殺したんだろう?ならお前もその罪をここで償え」


そして持っていたナイフで心臓をひと刺しした

驚きはなかった

恐怖もそして驚くほどにさっき親が殺されたというのに驚くほどに悲観して悲しんでもなかった


そこで気づいたのだ

自分は殺しの才能があるかもしれないと

誰でも人を殺すときは恐怖をしそして命乞いを

するのが普通であった

しかし少年はためらう事なく盗賊を殺した


スラムの様なこの腐った環境では落ちぶれていくのが

世の常

ならば・・・・・


「俺は暗殺者となってこの理不尽な自分の人生を変えてやる!」


そこからは早かった

盗賊などこの街にはどこにだって探せば蔓延っている

殺した盗賊から金や武器を剥ぎ取り

戦闘に必要な道具を揃える

時に街から出て定期的にある紛争に参加した

そこで人を殺す為の技術を必死に覚えた

生きる為にそしてこの理不尽な世界で強く

決まっていたはずの人生をひっくり返すために・・


あらゆる暗殺に必要な技術、社交性、変装などを

極めて言った結果

少年は町だけでなくこの世界に轟く一流の暗殺者

となっていた


そして或る日突然・・・・

彼の人生に大きな転機が訪れた







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