No.66 「神の使い」



―グラーンド大陸―

旧世界では神獣地、またはエリアBと呼ばれていた大陸。その大陸に降り立ったグレイは驚愕した。グレイ「………!!」

キーン「さぁグレイ、ここがグラーンド大陸だよ!」グレイ「ここが……!グラーンド大陸…!?」


そこは自然の緑が生い茂るまるでエリアBの神獣地がそのまま広がったような美しい世界だった。


グレイ「………。」キーン「じゃあ私はこれで。またね、グレイ。」グレイ「ちょっ…?もう行くのか?」キーン「うん!0&Zは無くなったし…世界は救われたも同然だよね!」グレイ「待て!」キーン「?」グレイ「お前…本当に世界を滅亡させることを諦めたのか?」キーン「……さっき言ったでしょ?世界は救われたって…。それに…自分の設計した世界をこれ以上汚したくないしね…。」グレイ「………。」


グレイ「…ここに来る途中の船であなたが言ったウーシャン海域の氷島…あれはどこにあるんだ…?」キーン「ウーシャン海域?あぁ…あれはこの大陸の反対側にあるはずだよ。その氷島もね。心配なら地図をやるよ!」グレイ「あるのか!世界地図!」

キーン「アタシが書くの!」グレイ「…。」


キーン「ほい!グラーンド大陸の中心都市がビコト。で、そのグラーンド大陸の横がウーシャン海域。その間に位置するのがスカイスペース、そして中心都市のフラッシュシティ」

キーン「ウーシャン海域の氷島は七つある。それぞれに秘密があるのかもね。」グレイ「…そこに旧世界の最期の時、私たちの他に生き残った者がいるのだな。」キーン「まぁそれはまた後ででいいよ。先ずはグラーンド大陸でさっき言った秘密の基地を探らないと!」グレイ「…ああ…そうだな…。」

―回想―

グレイ『ナニ!?グラーンド大陸にボーグたちが基地を作っているだと?!』キーン『ははは…別に驚く程でもないよ。ボーグは我々を観察し監視し続ける防犯装置みたいなやつだからね』グレイ『《防犯装置…。》』


グレイ『しかし、ボーグたちは旧世界とは変わらず旧世界の記憶もあるのだろう?なら、なぜ世界が変わってもなお観察する必要があるのだ?ボーグとは一体何者なのだ?』キーン『……んー…。何て言おうか…強いてあげるならヒトが作った知的生命体かな。』

キーン『ボーグは私がパンジャの時も、ビースト・オールになっていた時からも、変わらない種族なんだよ。前に言ったことがあると思うけど、旧世界のヒトは自らの運命をも知ってしまったんだ。その時ヒトは出会ってしまったんだ…。神という存在にね…。』グレイ『神!?』

キーン『ヒトは誰もが神などいないと思いたかった。それはヒトの身体や世界を与えたのは神だったから。いると思い、祈る時も、神に助けを求め祈る時もあった。…でもヒトは知識を得すぎた。終いには神様をも見つけてしまったんだ。』

グレイ『…それで…どうなったのだ…?ボーグとも何か関係があるのか?』

キーン『うん…。ボーグはね…神の使い…天使だったらしい。』グレイ『天使?』キーン『私も詳しくは知らないけど、ボーグは神様を選ぶ存在…神の裁定者だったとも言われている…』グレイ『裁定者!?』グレイ『でも、ヒトが生み出したのもボーグなんだろう?』キーン『私もそこが気にかかる…。』

キーン『なぜ、神の使いがヒトにより生み出されたのか…それだけ私は未だに謎だよ。』『世界を変えれば秘密がわかると思ったけど…わからないね、ハッキリ言ってお手上げだよ。まぁでも、世界を変えられる力を作ったヒトの科学力はすごいものだよ。あの0&Zのスイッチひとつで世界は思うがままに変えられる…。…でも私はそれが許せず、獣に知恵や意思、感情を与え反乱を起こした。なんでもかんでも思い通りになっちゃあ、たまったものじゃない。ひとつの考えで世界を縛られたくなかったんだ…』

グレイ『キーン…。』

キーン『じゃあ、ここらで昔話は終わり!ボーグのこと、ちゃんと調べなさいよ!?あんたがボーグに選ばれるかも知れないんだからね?』グレイ『え、選ばれるって…?…何に?』

キーン『神様にだよ!』グレイ『な…ナニぃ!?』

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