No.67「過去の記憶」


グレイ「………。」

―回想―

グレイ『私が神様に選ばれるだと?』キーン『そうさ、ボーグは神の裁定者だ。だったらグレイ、世界を0&Zでいじって変えた君も対象になるだろう?』グレイ『………。』

キーン『君が作った世界で神様になってよ!グレイ!!』グレイ『…勘違いしないでくれ。私は自分の意志で0&Zを壊したんだ。神様になどならなくとも世界に選ばれている存在だ。』


グレイ『わざわざ、神の使いに選ばれ、神様に成る気など一切思っていない!!』

キーンが笑う『ぷっ…アッハハハハハハ!!!』

キーン『それでこそだね!グレイ!』(面白いよぉ!グレイ…あんたは最高に狂ってるねぇ!!)


キーン『じゃあ、またね!私はフラッシュシティに戻るよ!』グレイ『ああ…ご苦労…じゃあ…な…。』

―現在―

グレイ「キーン…奴は何を思っているんだ…?」


グレイ「…だが今はその天使さんの御自宅を探さねばな…。首都のビコトに行ってみるか…。」

グレイがグラーンド大陸の首都、ビコトに向け歩き出す。眩しい日差しがグレイの体力を奪っていく。先を見ても村どころか人 一人もいない道をグレイはひたすら歩き続けた。

グレイ「長いな…。旧世界の飛行機があれば空をひとっ飛びできるのにな…。」

グレイ「ロット…。」(お前に世話になった時代が…随分昔のように感じるよ…。)

グレイが立ち止まり、大きな空を見上げながら過去の記憶を頭に浮かべ、思い出す…。


―旧世界 ラック国―


ロット『グレイ様!いけませぬ!今日はお父様がいらっしゃる日なのですよ!』グレイ少年『お父様は嫌いだ!いつも僕の話を耳にしてくれないんだもの!』クロウ『…それは、そもそもお前が獣の話などするからではないのか?グレイ…』ロット『く、クロウ様!いらしていたのですか…。』

クロウ『ワイト国からはるばる帰ってきた王様を出迎えるに理由などいるのか?ロット…。』ロット『こ、これはこれは…失礼しました…。』

グレイ『兄上も獣が嫌いなんでしょう?なぜ嫌いなのですか?』クロウ『醜いから。…それだけかな?…お前はその言葉では理解などしないのだろう?』グレイ『僕は必ず獣とも仲良くなるんだ!兄上にはわからないでしょう?!』クロウ『…つまりお前は獣とも理解しあえると…?』


『ワーーッハッハッハッハッハッハッハッ!!!』クロウ『!』グレイ『ち、父上!?』


ラック王『相変わらずお前は本当に面白いやつだなぁ!グレイ!』

グレイ『そ、そんなに高笑いする必要もないでしょう?!酷いなぁ!もう…』クロウ『お前は夢を見すぎているんじゃないのか?グレイ…』

グレイ『僕は本気だ!必ず獣とも…そして世界中の種族と仲良くなるんだ!』



―現在―


グレイ(……………。)

(……結局…全て私が壊したのかもな…。)


グレイ(また…世界を壊してしまうかもしれない…。…でも…!)


グレイ「だからこそ、世界を作らねばならない!神の承認など不要だ!私は私が今いる世界で、今を生きていく。だから私は…」


グレイ「神に背く…!何度でも…!」

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