No.15「思惑の交錯」

ワイト王「グレイが神になるだと!?」アイガー「そうだ。そして、文明が争わず、互いにそれを認め合う世界を作る。幾多の歴史がそうだったように、文明は幾つあっても良い。だが、それを1つに納める文明がなくてはならないのだ。そのために、今ある世の中を壊すのではなく修整し作り替える。」静まり返る一同。ワイト王「…。」ワット(…どうなるんだ…?まさかラック国とワイト国の対談に神獣が…、いや、神獣の魂も交える予想外の展開になるとは…!王サマはどうするつもりなんだ…!?)ワイト王「…。フッ。ハハ…。」ワット「!?」ワイト王「ハハハハハハハッ!!」ハーム「!?」ワット「お…王サマ?」ワイト王「ハハッ…。ハァ…。恥もなく…よく喋る。」アイガー「!?」ワイト王「お前の、理想はわかった。だが、それを私に言って何か変わるのか?残念だが、我らはそれに賛同できない。それどころかここはワイト国。付き人がいるようだが、敵陣の城でお前たちはどうするつもりだったんだ?」ロット「!!」アイガー「…。」ロット「グレイ様…!!あ、えーと…今は違うんだったな…。と、とにかくどうなさるのですか!?」アイガー「…。確かに。ここに居続ければ、グレイの命はないだろう…。」ワイト王「ハハハ!そうだ、神になりうる醜い存在を見逃すと思ったか?」アイガー「…。ワイト王。最後にひとつ問う。」ワイト王「?…なんだ?」アイガー「何故、ラック王を殺害したあと、旅に出たグレイを見逃したんだ?邪魔者ならば、そこで殺しても良いはずだ。なのに何故、護衛が一人もいないグレイを殺さなかった?それと…何故グレイが旅立ったあとでラック国の戦を起こした?だったら今もグレイは殺せないんじゃないか?」再び静まる一同。ワイト王「そうだな。グレイは殺せない。グレイだけはな…。」アイガー「何故?」ため息をつくワイト王。「…それは…、教えられない。何があってもな。大体、神獣アイガーよ。グレイの心と体とひとつになったと言うわりには、グレイの事は何もわかっていないようだな…。」アイガー「…では、この神獣アイガーと約束してくれ。グレイは殺さないでくれ。」ワイト王「…約束か。まあいいだろう。それぞれ信念があるだろうからな。…だが、誰がなんと言おうと、我々の夢、必ずや達成させる。去れ。神獣アイガー。そうすれば、グレイを撤退させよう。」アイガー「信念か…。わかった。では、またな。ワイト王…。」グレイの腕の基盤が点滅し、その光が消えていく。すると、グレイはその場で倒れる。   しばらくするとワイト王の声が聞こえてくる。「…。レイ…。グレイ?グレイ?」グレイ「…ワイト王?」ワイト王「何があったか覚えているか?」重いその口をあけグレイは質問に答えた「…はい。覚えています。アイガーが言ったこと全て覚えています。」ワイト王「…。」静まり返る宮殿内。それぞれの思惑が交錯していく…。

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