最終章　そして…その後の話

　次の日。また学校で噂が流れた。

　曰く、

　―――『泉川　翔が前の彼女と復縁した。かなり溺愛している』らしい。

　その噂のおかげか、朝から各教室は騒がしく。噂の二人がやって来るのを、今か今かと待ち受けていた。

　そして、やっと二人が登校してきた。

　それを見た全ての生徒たちは思った。

　―――彼らには絶対に敵わない。

　と。

　―――なぜなら。

　二人は仲良く手を繋いでいたからだ。

　泉川　翔は他の女子たちには見せない、愛しい人を見るような笑顔を彼女（くれない　とうか）に向けていた。そして相手である紅　桃香も、他の男子たちを魅了するほどの笑顔を彼氏（いずみかわ　しょう）に見せていた。

　だからこそ、すべての人たちは思ったのだ。

　―――彼ら(彼女たち)には絶対に敵わない。あんな笑顔なんて、きっと俺たち(私たち)には見せてくれるはずない。

　と。

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