第12章 決着と別れ(仮)

第142話 第三者side

 ―――そのあと。

 翔によって連れてこられた桃香は、保健室のベッドに寝かされた。ちゃんと怪我の治療も受けて、今は雪乃がいるベッドの近くにいる。


 そして、翔と静は・・・何故か保健医に説教を受けていた。

「まったく………あと少しでも遅かったら、彼女の怪我は大変なことになってたかもしれないのよ!?怪我があると分かったなら、早く保健室に連れてきなさい!」

「「………すみません。」」

 ガミガミと、唾が飛ぶ勢いで保健医は怒鳴る。その剣幕に、男二人は気圧されていた。

「んとにもう……これからは気をつけなさいね?」

「「………はい。」」




 その時―――

「っ……。」

 先に雪乃の方が目を覚ました。


「……あれ?なんでここに…………。」

「あぁ、目が覚めたんですね。もう、大丈夫ですか?」

 彼女が体を起こしたのに気付いて、静が声をかけた。

 まだ目をこすっていた雪乃だが、静が思いのほか近くにいたので、

「え、あ……だ、大丈夫、です…………。」

 顔を真っ赤にさせて答えた。

 しかし、なぜ彼女が赤くなったのか気付いてない静は、

「大丈夫ですか?まさか、熱があったのでは………。」

 と・・・自身の額と彼女の額をコツンと当てたのだ。

 これはもうなおさら赤くなるのは当然なもので。雪乃の顔がさらに、蒸気を上げるまでに赤くなった。そして、それを見て焦る静。

 雪乃の静に対する想いを知っている翔は、この一連の出来事に苦笑しながら見ていた。無論、保健医も同様である。





 その時―――

 ようやっと、桃香が目を覚ました。

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