第126話

 薄い茶色のロングヘアに大きな瞳。色は髪と同じ色。身長は私より小さめ。

「………来た、噂の『妖精の姫』こと苺坂いちござか 桜子さくらこ。」

 雪ちゃんが小さく呟くのが聞こえた。

 その子は、クラスメートの歓声の中にはいってきた。そして私を見つけると―――



 こっちに駆け寄ってきた。



「「……………へ?」」

 雪ちゃんと私の間抜けな声が重なった。

 その間にも彼女はこっちに来ていた。そして私の机に到着すると、私の手をとって言った。

「あの!貴女がの溺愛する紅さんですよね!?」

 キラキラと輝く瞳が、こっちを見つめる。

「え、ええと………。」

 どう言葉を返せばいいかわからずにいると、雪ちゃんが代わりに応えてくれた。

「そうだけど………あなた、『妖精の姫』って噂の苺坂さんだよね。」

 その答えに―――





 一瞬、苺坂さんの瞳が冷気をまとったのがわかった。





 ドクン、と胸が強く音をたてる。まるで、嫌な予感の前兆のように。

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